ぶなの雫(8)

(写真・秋の園遊会にて)

東山町商工会青年部の皆さんが制作した、ふるさとCM大賞参加作品を見せてもらいました。「ふるさと愛」をテーマにした心温まる内容で、作り手の皆さんがふるさとを愛し大切に思っていることが伝わる作品でした。
先日、テレビで第二次大戦後にシベリアに抑留された人たちを描いた番組を見ました。極寒の地で強制労働させられた人たちの心を支えたのは「ふるさと」でした。なんとしてもふるさとに帰りたいという一念が極限状態の中で生きる支えであり、ふるさとという存在の大きさに感じ入りました。
「ふるさとは遠くにありて想うもの」という歌のように、ふるさとのありがたみは、遠くにいて帰ることのできない人こそ強く感じ、ふるさとにずっといる人には、そのありがたみを実感するのは難しいことかもしれません。
少子高齢化、限界集落など、今ふるさとは課題が山積しています。富める人にも貧しい人にも、ふるさとは何事にも代えられない財産。ここに住む私たちが固有の歴史、文化、自然などに恵まれたふるさとの価値を再認識し、次の世代に確実に受け継がなければ―と改めて心に刻みました。

 (広報いちのせき平成20年1月1日号)