宮沢賢治メモリアルDVD制作実行委員会

詩碑建立60周年を迎え宮沢賢治の思い後世に

完成間近のDVDのデザインを話し合う会員

岩手が生んだ偉人、宮沢賢治が農民救済のため技師として働いた東北石灰工場や、賢治を慕う青年たちによって建立された詩碑などが残っている東山町。今なお賢治とゆかりのある人たちが暮らしている地域です。
「みんなの幸せ」のためにまい進した賢治の精神と、賢治と深いかかわりのあった東山の歴史を次世代に残したいとの思いから、19年4月、東山町を中心とした有志により宮沢賢治メモリアルDVD制作実行委員会(鈴木須美子委員長、会員26人)が組織されました。
市の地域おこし事業の補助を受け、昨年6月から本格的に取り組みがスタート。鈴木委員長を中心に賢治とゆかりのある人たちの「声」と「映像」、「オリジナルBGM」で構成するDVD制作に取り組んできました。
 まずもろともに
 かがやく宇宙の微塵となりて
 無方の空にちらばらう
市役所東山支所の裏手にある新山公園内の詩碑には、賢治の「農民芸術概論綱要」の一節が刻まれています。この碑は戦後の混乱期に賢治の精神を生きる指針にしようと、地元青年団員の手で昭和23年に据えられたもの。建立から60年目を迎え、詩碑建立に携わった当時の青年団員の皆さんに協力をもらい、賢治とゆかりのある人たちの生の声を映像としてDVDに収録しました。
「DVDは、市内の小中学校と図書館に寄贈する予定です。市内各地域での完成試写会の開催も考えています。特に東山町では試写会と併せコンサートも開催できれば」と鈴木委員長。「そして、このDVDが少しでも賢治の精神を伝えることに役立つことを願っています」と笑顔で語ります。
実行委員会は完成したDVDを基に、20年度には音楽劇の台本を作成する予定。小さな音楽劇からスタートして継続的に取り組み、最終的には市民ミュージカルに発展させる計画です。
「東山町に新しくできる東山地域交流センターの『こけら落とし』として、ミュージカルを上演することができたら素晴らしいですね。将来的には、センター自主事業のお手伝いになれば―」と今後の夢を描く鈴木委員長です。

活動メモ
活動場所

 東山音楽振興会事務所(東山町長坂字西本町)

連絡先

 実行委員会 鈴木 電話0191-35‐1260(同事務所内)

(広報いちのせき平成20年4月1日号)