国指定史跡「骨寺村荘園遺跡」~指定個所の特徴③~

梅木田遺跡⑦

発掘調査により、山の緩斜面を平らに造成した上で構築された、直径1メートルを超える柱穴と2.4メートルの柱間で構成される掘立柱建物跡が発見されています。平泉町で確認された12、13世紀の建物跡と特徴が共通することから、荘園経営時期にちなんだ建物の可能性があります。

駒形根神社・白山社⑧ 

駒形根神社は絵図に描かれている「駒形」「駒形根」(現在の栗駒山)を祭っているところです。江戸時代には馬頭観音堂として記録されています。絵図の配置から「六所宮」と推定されますが、明らかではありません。白山社は山岳信仰に由来する神社で、天台修験とのかかわりが考えられます。さらにこの二つが立地する絵図の中の里山には、村名の由来になったと思われる「骨寺跡」「骨寺堂跡」が描かれています。柱穴もしくは礎石のような図柄も描かれており、絵図の描かれた時代には既に寺の跡であったことを示しています。

山王窟⑨

村の信仰の聖地となっていた山王窟

骨寺村の西の境にあたり、山王日吉神社を祭っています。磐井川に接した断崖絶壁の中腹にあり、山岳修験の象徴的な環境を今に伝えています。村の天台信仰の聖地であったため、絵図の正面に描かれました。

このように本寺地区には、二枚の絵図に描かれた村の信仰対象が現存し、当時の仏教色豊かな農村の姿をしのぶことができます。

「散策マップ」ができました

市は、岩手大学と本寺地区地域づくり推進協議会の協力を得て、骨寺村荘園遺跡の見学に便利なハンディタイプの散策マップを作成しました。 所要時間60分2コースと90分1コースの三つのコースを設定し、それぞれのルートと見どころ、骨寺村の歴史や史跡の説明などをわかりやすくまとめています。
本庁骨寺荘園室または骨寺村荘園遺跡臨時案内所で、無料で配布しています。

中世の絵図と現在のイラストマップを対比させ、遺跡をわかりやすく説明しています

問い合わせ先
本庁骨寺荘園室

(広報いちのせき平成20年6月1日号)