「緑につつまれ 川と共に暮らす 学びあう環境のまち いちのせき」を将来の環境像に

市中央部をとうとうと流れる北上川。環境像には「学び合いの大切さ」、「川との共生」、「緑の山々」という三つの大切な視点が織り込まれています

市は3月、環境基本条例に基づき、環境の保全・創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための向こう10年間の指針として「一関市環境基本計画」を定めました。
計画策定に当たっては、環境保全活動などに携わる民間団体やまちづくりスタッフバンク登録者、行政機関職員で構成する環境審議会(会長・高橋道康一関高専教授、委員14人)の意見をいただいたほか、2回の環境懇話会や市民アンケートの実施、ワークショップの開催、パブリックコメント募集なども行い、広く市民の意見を反映させながら進めました。
豊かな自然環境と調和した未来のまちを目指す、環境基本計画の概要をお知らせします。

計画期間

平成19年度から28年度まで

将来の環境像

本市は貴重で優れた自然環境や歴史的資源に恵まれています。また、自主的な環境保全活動が盛んに行われてきました。
こうした背景を踏まえ、豊かな自然環境と調和した未来のまちを作りあげていく上での目標となる将来の環境像を、「緑につつまれ 川と共に暮らす 学びあう環境のまち いちのせき」としました。

計画の構成

計画では、環境像を実現するため、①地球温暖化対策の推進②水と緑豊かな自然環境との共生③資源が効果的に循環する地域社会づくり④住み続けたい、訪れたい魅力ある環境づくり⑤環境を考え、行動する人づくり、組織づくり―の五つを基本方針とし、それぞれの基本方針ごとに具体的な施策の方向性を示す基本施策を定めています。
また、先導的・重点的な取り組みとして、次の三つをリーディングプロジェクトに位置付け、総合的な取り組みを進めます。
①市民一人一人が考え、行動する地球にやさしいプロジェクト(環境家計簿の普及やマイバッグ持参の促進など)
②地域や世代を越えて、豊かで清らかな水を育むプロジェクト(公共用水域浄化モデル事業、河川清掃などの市民ボランティア活動の充実など)
③世界に誇れる美しい都市創造プロジェクト(花いっぱい運動の促進、ポイ捨てのないきれいなまちづくり事業など)

将来の環境像基本方針基本施策リーディングプロジェクト

緑につつまれ

川と共に暮らす

学びあう環境のまち

いちのせき

①地球温暖化対策の推進

・地球温暖化対策の率先行動と啓発

・新エネルギーの積極的な活用

・省エネルギーの推進

◇ 市民一人一人が考え、行動する地球にやさしいプロジェクト

◇ 地域や世代を超えて、豊かで清らかな水を育むプロジェクト

◇ 世界に誇れる美しい都市創造プロジェクト

②水と緑豊かな自然環境との共生

・豊かな水環境の保全

・森林・農地等の保全と育成、活用

・多様な生き物が生息できる環境の保全と創造

・自然環境への負荷の軽減

・環境にやさしい産業の振興

③資源が効果的に循環する地域社会づくり

・ごみの減量化と再資源化、再生利用の推進

・効率的な廃棄物処理システムの確立

④住み続けたい、訪れたい魅力ある環境づくり

・一関らしい景観の保全と創造

・環境と共存した観光・レクリエーションの充実

・住み続けたいと実感できる生活環境の形成

⑤環境を考え、行動する人づくり、組織づくり

・市民・事業者の意識の啓発

・人材の育成と協働の仕組みづくり

計画の推進

計画の推進には関係者間の協働が不可欠となることから、市は環境保全団体などの育成支援に努めるなど、市民や事業者などが環境保全活動へ積極的に取り組める環境整備に努めます。
また、関係者が相互に連携しながら取り組みを進めるため、それぞれが情報公開に努めるとともに、交流の契機を創出できるよう、環境教育や意識啓発イベントなどに重点を置いて計画の推進に取り組みます。

計画書の全文は、本庁生活環境課や各支所市民課に備え付けるほか、市ホームページにも掲載します。

ひろげましょう きれいな川を守る暮らし

川や海の水質については、水質汚濁の代表的な指標であるBOD(※生物化学的酸素要求量)などの環境基準が定められ、国や県、市などで定期的に河川の水質検査を行っています。
平成16年度から18年度までの市内の主な河川のBOD値は、別表のとおりでした。ここ2~3年間の水質状況は、おおむね横ばい状況にあり、今後とも推移を注視していくこととしています。
市内では、下水道・農業集落排水・浄化槽の普及や事業所の排水処理施設の改良、河川愛護への関心の高まりによる清掃活動など、きれいな川をつくるための取り組みが行われています。

私たちの小さな心がけがきれいな川をつくります

きれいな川や海をいつまでも大切に守っていくため、次のことについて協力ください。

  • 下水道整備済みの地区の人は、早急に下水道への接続をお願いします。
  • 下水道未整備の地区の人は、浄化槽の設置について検討をお願いします。
  • 浄化槽を設置している人は、保守・点検と清掃を徹底しましょう。
  • 家庭では、▽調理で残った油は排水に流さない▽調理ごみは目の細かい三角コーナーに捨て、水を切って燃やすごみに出す▽洗濯の際は洗剤を適量にする―など、生活を少し見直すことで、水の汚れを減らすことができます。
  • 川にごみを捨てない、みんなで川をきれいにする河川愛護の心をはぐくみましょう。市では河川愛護団体を対象に支援を行う公共用水域浄化モデル事業を行っています。
市内河川の水質測定結果(BOD値 単位:mg/L)

河川名地点名地域16年度17年度18年度
北上川千歳橋一関1.11.21.0
北上大橋川崎1.01.11.0
北上川橋花泉1.01.21.0
磐井川長者滝橋一関0.5未満0.50.5
上の橋一関0.90.90.8
狐禅寺橋一関1.51.51.0
吸川水門一関17.618.213.5
久保川赤子橋一関0.50.50.6
金流川天神橋花泉1.31.20.8
川ノ口橋花泉1.62.01.7
有馬川金流橋花泉1.00.91.1
磯田川沼畑橋花泉2.02.5 1.5
砂鉄川生出橋大東0.61.80.8
門崎橋東山0.70.80.8
曽慶川雲南田橋大東1.43.00.9
千厩川宮田橋千厩0.72.10.6
久伝橋千厩2.21.91.3
松形橋川崎3.13.52.7
水門川崎2.43.01.8
大川宮城県境室根0.60.80.6
津谷川千代ケ原橋室根0.50.50.5未満

※国・県の測定結果による。(19年度の結果は21年3月ごろに発表される予定です)
※BODとは、水中の微生物が汚れを食べる(分解する)ときに必要とする酸素の量を表す数値です。汚れが多いほど、微生物が必要とする酸素も増えるので、この数値が大きくなるほど水は汚れているといえます。魚が快適に生息するには、BODが5ミリグラム/リットル以下であることとされています。

問い合わせ先
本庁生活環境課生活保全係 電話0191-21-8342

(広報いちのせき平成20年6月1日号)