持続可能な公共交通体系を作るために
市域が広く、通勤・通学の足として、自家用車や公共交通機関が欠かせない本市。特に、自家用車の利用は、ドアツードア(戸口から戸口へ)で利便性が高いこともあり、年々増加を続けています。
一方、鉄道やバスなどの公共交通は、過疎化や少子化の進行により利用者が年々減少しています(図1)。
このため民間事業者が運行するバスは事業収支が悪化し、路線の廃止や運行本数の減少などの傾向にあります。また市が運行する市営バスなどでも同様に、利用者の減少により負担額が増加しています。
図1 市内の主なバス利用者数の推移
バス交通への財政負担は
市は20年度予算で、民間バス運行のための助成や市営バス・患者輸送バス・スクールバスの運行、福祉乗車券などの利用者助成に、2億5348万円を計上しています(表1)。
持続可能なあり方を検討
乗合バス(路線バスやデマンド型のバスなど)は、▽自動車を運転できない高齢者などにとって貴重な移動手段であること▽公共交通の利用を進めることで大気汚染や地球温暖化の進行を抑えること―など、さまざまな効果が期待できることから、その利便性を高め、自家用車利用からの転換を促していくことが求められています。
そこで、市は生活に密着した公共交通のあり方を検討し、地域の実情に即して将来も持続可能な公共交通体系のあり方をつくりあげることを目指し、19年12月、若手職員を中心にしたプロジェクトチームを設置しました。
4月には、公共交通に関する現状を把握し、利用に関する意識や課題を明らかにするため、一般4000人と高校2年生1594人を対象としたアンケートを行いました。結果の概要を左ページでお知らせします。
この結果は、今後の検討のための貴重な資料として活用していきます。
■表1 市のバス交通への財政負担状況
財政負担内容 20年度予算額 民間路線バスへの補助(なの花バスを含む) 4642万円
市営バス 9519万円
患者輸送バス(福祉バス) 626万円
スクールバス(小・中学校) 8900万円
福祉施策(福祉乗車券、シルバー民間乗車バス分) 1661万円
合計 2億5348万円
※上記予算額には、国からの交付税措置額などは含まれていません。
市民アンケート調査結果の概要
バスの利用頻度について
通学でよく利用する交通手段について
バスに対する不満について
将来も持続可能な交通体系を作り、皆さんの足を確保していくためのよりよい方法について
(広報いちのせき平成20年8月15日号)