避難勧告の一部を解除 

― 8月11日、市野々原、栃倉南の計12世帯35人 ―

地震から2カ月目の8月14日。避難勧告が解除され、自宅でお盆の夜を過ごす家々(市野々原地内)

市災害対策本部は8月11日午後1時、岩手・宮城内陸地震の発生による避難勧告の一部を解除しました。解除したのは、厳美町字市野々原地内の11世帯33人と、萩荘字栃倉南地内の1世帯2人の計12世帯35人です。
地震発生後、対策本部では関係機関との連携の下に、建物応急危険度調査や土砂災害危険個所調査、土砂ダムの決壊による二次災害防止のための工事やう回路の整備、損壊した道路やライフラインの復旧などに努めてきました。これらの進ちょく状況などを踏まえ、▽建物応急危険度調査と土砂災害危険個所調査結果に基づく改修が行われ、居住再開が可能▽ライフラインの電気、ガス、水道がすべて供給できる―の条件を満たす世帯について避難勧告の解除を決定しました。解除に当たっては、避難している世帯への説明を行い、それぞれの意向も尊重しながら判断したものです。 
残る厳美町字市野々原地内の4世帯16人と同字祭畤地内の7世帯18人、同字○(木偏に爪)木立地内の1世帯2人の計12世帯36人については避難勧告を継続しますが、祭畤大橋に代わる祭畤地区への仮橋の設置や、土砂災害危険個所への対策の実施などを関係機関と連携して進め、早期の解除を目指すこととしています。

おすもうさんがやってきた

東関部屋が避難所を訪問

気さくにサインに応じる東関親方(左)

毎年この時期に東山町で合宿を行っている大相撲東関部屋の東関親方(元関脇高見山)と力士11人らは8月6日、地震の被害に遭った人たちを元気づけたいと厳美公民館山谷分館を訪れました。避難者約20人を前に、東関親方が「大変だと思いますが頑張ってください。私たちも皆さんを応援しますので、皆さんも応援をよろしくお願いします」と激励。巡業中の高見盛関の手形が押された色紙などが力士から避難所の皆さんに配られ、一緒に記念撮影をするなど、にぎやかに交流しました。親方からもらったサインを手にした佐藤香伽さん(本寺小5年)は「テレビで見るより大きくて迫力があった。やさしく励ましてもらったので、私も一生懸命頑張りたい」とうれしそうに話していました。

災害警戒本部へ切り替え

市は8月11日午後1時、岩手・宮城内陸地震による災害対策本部を災害警戒本部に切り替えました。これは、▽一部世帯の避難勧告について解除したこと▽土石流などによる危険性が少なくなり、矢櫃ダム下流域の避難指示体制としての安全対策基準の見直しとその運用体制を構築できたこと▽防災緊急情報システムに加え行政情報提供システムが完成したこと▽現状での災害対応、報告などについて警戒本部からでも十分可能となったこと―の理由によるものです。
警戒本部は市消防本部に置き、引き続き磐井川、産女川の監視などの対応に当たります。
災害に関する問い合わせなどは、各担当課が対応しています。主な問い合わせ先は下の表のとおりです。

災害関連の主な対応窓口

災害警戒本部 電話0191-25-0119
市役所本庁 電話0191-21-2111

問い合わせなどの内容担当課・係
緊急避難その他の危険対策危険情報の通報災害警戒本部(市消防本部内)
り災証明書の発行家屋の被害調査本庁税務課資産税係
納税に関する相談本庁収納課収納係
災害地のごみ処理本庁生活環境課環境衛生係
生活再建に関する相談災害義援金の配分本庁児童福祉課福祉総務係
板川林道の使用許可本庁農地林務課農林土木係
道路、河川の状況本庁維持課道路維持係
被災住宅の改修、建築に関する相談本庁建築住宅課建築指導係
飲料水の確保本庁給水課給水係

※担当課が分からない場合はお尋ねください。
※板川林道の使用許可については、土曜、日曜、祝日(夜間は除く)でも本庁管理室で日直が対応します。

被災者への災害義援金配分額を決定 災害義援金配分委員会

市災害義援金配分委員会の第1回委員会は8月8日、市役所本庁で行われました。災害の被害者に対する義援金の公平、効果的な配分を行うため、一関市地域防災計画に基づいて設置された同委員会は、副市長を委員長とし、市から収入役のほか企画振興、総務、保健福祉、建設の各部長、市社会福祉協議会事務局長、県南広域振興局一関総合支局保健福祉環境部長を委員とする計8人で構成。義援金配分の対象者や基準、時期、方法などについて審議、決定します。
第1回委員会では義援金の配分方法などについて、県の「岩手・宮城内陸地震に係る義援金配分委員会」の決定内容も参考としながら協議。その結果、▽人的、住家被害を受けた個人に対して、被害区分により配分単価を定めて支給する「個別配分」▽地域の被害状況などに即して、特に支援が必要と認められる個人、団体に対して配分額を定めて支給する「事業等配分」―を行うこととし、これらのうち被害者に支給する基準と支給額について、それぞれ下の表のとおりとすることを決定しました。
同委員会では、今後、事業等配分の対象事業などを追加審議、決定していくこととしています。
全国から市にお寄せいただいた義援金は、8月15日現在で約3000件、約9200万円となっています。
なお、義援金の受け付けは、8月31日で終了させていただくことといたしました。たくさんの義援金をお寄せいただき、ありがとうございました。

事業等配分

避難生活見舞金

被災したことにより、自宅での生活 ができず避難所やアパート、親戚宅での生活を余儀なくされた人に支給

1世帯当たり10万円(世帯員一人につき2万円を加算)

離職者見舞金被災し営業不能となった事業所などを解雇された人に支給
一人当たり30万円
生活用水確保対策事業
放送受信施設整備事業中心被災地、市野々原地区民の生活 再建の早期実現を支援
観光風評被害対策交付金

個別配分

被害区分市 単価(万円)県 単価(万円)
人的被害死亡150500
重傷最重傷者75250
重傷者1550
住家被害全壊150500
半壊105350
移転30100
一部破損(%は破損率)15%以上20%未満37125
10%以上15%未満30100
5%以上10%未満2275
3%以上5%未満1550
2%以上3%未満620
1%以上2%未満310
1%未満00

問い合わせ先
本庁児童福祉課福祉総務係

(広報いちのせき平成20年9月1日号)