幸せ願って若水を届ける

磐井清水から若水をくむ千葉太雅君と父幸志さん

新年最初にくんだ東山町松川の磐井清水を中尊寺に届ける「磐井清水若水送り」は1月1日未明、行われました。


若水送りは、藤原秀衡公が磐井清水を若水としてくませ、柳之御所まで届けたという故事を再現したもの。17年目の今回は小学1年生から80歳まで、183人が参加しました。中尊寺の参道を「六根清浄(ろっこんしょうじょう)、御山繁昌(おやまはんじょう)と唱えながら進む一行
午前1時すぎ、白装束、桧笠姿の一行は磐井清水で若水をくみ、平泉に向けて出発。若水くみは、千葉太雅君(10歳)と父幸志さんが務めました。たるを運ぶ「手繰り方」は、水が入ったたるを地面に着けないように交代で担ぎ、奈良坂、東岳の二つの峠を越え、中尊寺まで約20キロメートルの道のりを約5時間かけて歩きました。
午前6時すぎ、空も白みかかってきたころ中尊寺に到着し、平泉の文化遺産の世界遺産登録実現と今年一年の幸せの願いを込めた若水を山田俊和貫首へ献上。穏やかな初日が歩き通した参加者をたたえるかのように輝いていました。

ゆかりの経蔵へ新米奉納

金色堂拝観入口から経蔵へ向かう米納めの行列 骨寺村荘園遺跡内で収穫された米の「中尊寺米納め」は12月20日、行われました。本寺地区地域づくり推進協議会(佐藤武雄会長)が昨年約半世紀ぶりに復活させ2回目となる今回は、仙台や盛岡から訪れた荘園オーナーを含む約70人が参加。一行はほら貝を先頭に白装束や法被姿で遺跡内を歩いた後中尊寺に移動して参道を上り、山田俊和貫首が出迎える荘園ゆかりの経蔵へ、30キログラムの新米を奉納しました。佐藤会長は「地震にも負けず立派な米ができた。これからも世界遺産登録に向けて頑張りたい」と語りました。


新年の幸せ願い門松作り

苦労しながらも立派な出来栄えの門松を完成させた参加者  花泉町の油島公民館成人講座は12月21日、行われ、13人の参加者が新年への願いを込めミニ門松を作りました。同館の千葉副館長を講師に、参加者は縄の巻き方、結び方を何度も教わりながら、真剣な表情で土台を作成。「竹の節の少し上から斜めに切るのが関東風」と千葉副館長がお手本を見せ、参加者は慎重に切った竹を松と組み合わせ、紅白の南天や梅の枝を挿して完成させました。参加者は「飾り縄の作り方が難しかったが、来年もぜひ参加したい」と語り、神様をお招きする準備ができたと喜んでいました。


(広報いちのせき平成21年1月15日号)