2団体に認定証が交付

1月29日、浅井市長(中央)に受賞報告した勝部下内野自治会長(左から3人目)、遠藤千厩町第10区自治会長(右から4人目)など、関係者の皆さん

県が地域活性化に先進的に取り組んでいる団体を認定し広く情報発信しようと定めた「元気なコミュニティ100選」に、市内から大東町の下内野自治会(勝部欣一会長、48世帯)、千厩町第10区自治会(遠藤敏男会長、64世帯)の2団体が選ばれました。代表者らは1月29日、市役所本庁を訪れ、浅井市長に受賞を報告。浅井市長は「自分たちの地域を自分たちで盛り立てていこうという皆さんの取り組みが認められ素晴らしい。本当におめでとうございます」と祝福しました。

下内野自治会(大東町)

カジカのすむ清流を守ろうと行われている石磨き大会

平成元年に設立し、「かじかの里」をキャッチフレーズに活動している下内野自治会。9年の旧大東町「ふるさとづくり支援事業モデル自治会」1号指定を契機に、地域づくりの方向性を定めた「下内野4WD計画」(※4=老若男女全員で力強く、W=水、D=夢)を策定し、活力あふれる地域づくりを行っています。
宅地分譲事業は、自治会員が未利用の農地を出し合い、新しい仲間とともに地域を守っていきたいと実施。これまで5世帯が定住しました。また、「石磨き大会」は6年から日本大学との交流を機に実施。カジカがすめるような清流を守っていこうと、自治会員と学生が川に入り、古縄たわしで石を磨きます。さらには地元出身の音楽家による歌「かじかの里」も完成し、豊かな自然環境のシンボルとなっています。そのほか、▽中国遼寧省桓仁県桓仁鎮との国際交流▽日大への田舎教授派遣▽田植え踊りの保存―なども行っています。
「石磨き大会開始から15年、4WD計画策定から10年と、節目の年に長年の取り組みが評価されうれしい。自治会のホームページを2月から公開予定で、この選定を内外にPRする機会にしたい」と勝部会長は喜びを語りました。
宅地分譲された土地を購入し、13年に盛岡市から移住した高橋隆二さん(61)は菌床シイタケのハウス栽培を行い、自治会役員も務めています。「田舎暮らしを夢見て全国を見て回りましたが、厚い人情と、造成地でなく畑をそのまま購入できることが決め手で移住。この地に骨をうずめる覚悟です」と同地域の魅力を語りました。
※下内野自治会ホームページhttp://homepage3.nifty.com/kajikanosato/

千厩町第10区自治会

「お湯から上がっても体がずっとぽっかぽか」「ここは普段着の湯治場」と笑顔の常連客の皆さん

「温故知新『たまご湯の地域づくり』」をキャッチフレーズに、畑ノ沢鉱泉たまご湯を運営する千厩町第10区自治会は昭和61年設立。鉱泉を所有する海田茂さんの好意により平成11年、自治会で鉱泉水の宅配を開始。好評だったことからリサイクル材料を用いた手作りの浴場と休憩所を建設し、16年から公衆浴場を運営しています。
管理には地域の高齢者が従事。「お肌がすべすべになる」と次第に評判を呼び、19年には年間1万5000人以上が利用しました。管理に携わる高齢者が元気になったのをはじめ、各種イベントへの「足湯」の出前により地域の知名度が上がったこと、多くの注目を集めることで住民が地域に誇りと自信を持つようになったことなど、さまざまな成果が出ています。
「湯元の海田さん、管理担当の老人クラブ、そして地域の皆さんのおかげ。初心を忘れずお客さんを大切に、運営を続けていきたい。今後は若い人たちに活動を引き継いでもらえるような取り組みに力を入れたい」と、遠藤会長は受賞の喜びと今後の抱負を述べました。

(広報いちのせき 平成21年2月15日号)