博物館だより 20

色川武大(いろかわたけひろ)「狂人日記」原稿

代表作「狂人日記」と自筆原稿

作家色川武大は、色川武大の名前で主に純文学作品を、阿佐田哲也の名前でマージャンなどを題材とした大衆小説を執筆しました。色川武大では、昭和36(1961)年に「黒い布」で中央公論新人賞を受賞したのをはじめ、昭和52(1977)年「怪しい来客簿」で泉鏡花文学賞、翌53年に「離婚」で直木賞、さらに56年「百」で川端康成文学賞、平成元(1989)年「狂人日記」で読売文学賞と、数々の文学賞に輝きました。
阿佐田哲也の方では、「麻雀放浪記」に代表される多彩な小説、エッセイなどを残し、今なお多くのファンに愛され続けています。
色川は、昭和4(1929)年、東京都牛込区矢来町(現新宿区)に生まれ、住まいを転々としながら東京都内で暮らしていましたが、平成元(1989)年3月、当市に居を構えました。しかし、新たな環境で執筆活動に取り組もうとする矢先、病に倒れ翌4月10日、60歳で帰らぬ人となりました。
「狂人日記」の原稿やその初版本、多くの蔵書やレコード、ビデオ、レーザーディスク、愛用品などの遺品は、孝子夫人のご好意により「色川が気に入って住んだまち」として市に寄贈されました。
本年は、色川武大が亡くなってから20年となります。節目の年に当たり色川武大、阿佐田哲也の業績をしのびます。

一関市博物館案内

テーマ 展1 没後20年 色川武大と阿佐田哲也の世界

■会期…4月4日(土)~6月7日(日)

【関連行事】

村松友き講演会

■日時…5月17日(日)14時~15時

■会場…一関文化センター中ホール※聴講無料

ジャズコンサート

■日時…①5月9日②6月7日(日)各18時30分~

■会場…博物館※入場料無料

グラス・ペインティング(ガラス絵)に挑戦

おおよそはがき大の透明板ガラスに、裏から絵を描きます。
ガラス絵は、17世紀半ばにオランダ商館長が将軍への献上品として持ち込んだという記録も残ります。珍しい絵画技法「ガラス絵」に挑戦してみませんか。
■日時…5月4日(月)(祝)・5日(火)(祝)午前の部9時~12時、午後の部13時~16時

■定員・対象…各回15人・小学3年~一般※入場する保護者もご参加ください

■参加費…一人200円

■その他…汚れてもいい服装でお願いします※申し込みは電話で先着順

美術館ツアー

博物館で事前学習をしてからバスで移動し、展覧会を観賞します。それぞれの見学館では学芸員による特別解説を受けます。
■日時…5月10日(日)9時~17時

■集合場所…博物館

■見学先…①東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館特別展「芹沢銈介コレクション日本の絵画」②仙台市博物館特別展「朝鮮王朝の絵画と日本」③昼食・レストラン「風土」で特別ランチ

■参加費…2300円(展覧会観覧料と昼食代)

■定員…40人※電話で先着順。小学生以下は保護者同伴

通年の定期講座
古文書講座「御郡方御用留を読む」

一関藩の民政を担当した御郡方の「御用留」を解読し、江戸時代の村方行政のあり方を探求します。
■日時…初回5月31日(日)13時~15時、以降全6回

■定員…36人

■参加費…300円(資料代)

『算法新書』を読む

一関の和算家・千葉胤秀の著書『算法新書』を解読し、江戸時代の数学・和算の魅力を楽しみます。
■日時…初回4月18日(土)10時~11時30分、以降22年3月まで全11回

■定員…36人

■参加費…無料

(広報いちのせき 平成21年4月1日号)