環境に引かれ移り住んだこの地 農業の楽しみ、暮らしの楽しみ 多くの人に伝えられたら

市嶋豊さん

室根町で「かけす農場」を営んでいる
市嶋豊さん

東京都生まれ。伊豆大島や大分県で育ち平成8年、旧室根村に移住。

とーばんふうどくらぶ事務局。室根町折壁。29歳

根山の中腹に位置する市嶋豊さんの「かけす農場」。畑で作業ができない冬季間は、干しリンゴ作りのシーズンです。ペレットストーブで暖められた乾燥室で、木製の箱に並べ1週間かけてじっくりと干したリンゴは、優しい甘さとしんなりした食感が懐かしさを感じさせる味。近隣のリンゴ農家の手伝いをした際にもらった規格外のリンゴを自家用に干して食べたのがきっかけでしたが、今では同農場の主力商品になりました。
13年前、自給自足の暮らしがしたいと両親とともに旧室根村に移住。農業の見習いをさせてくれる農家がいたこと、自然環境の素晴らしさが決め手でした。「無農薬で栽培できるし、日持ちがするから」とヒエ、モチキビ、ソバや小麦、大豆などの穀類を中心に栽培。加工品などを地元の産直で販売するほか、東京の自然食販売グループやインターネットでも販売しています。
域とのつながりを持ちたいとグリーンツーリズムに取り組む「とーばんふうどくらぶ」の事務局も務める市嶋さん。「自然そのもの、農業体験、ここにはたくさんの素材があります。自分も楽しみながら農業をしているし、都会の人たちにもこの地を楽しんでもらい、人を呼び込む仕掛けを作りたい」と夢を抱きます。

(広報いちのせき 平成21年4月15日号)