外国人でも日本人でも相手を尊重し違いを認めること それが多文化共生の時代に必要

熱海アイ子さん

外国人への日本語支援、異文化理解に取り組む
熱海アイ子さん

20年以上国際交流にかかわり、現在「ゆうの会」代表。「いわて多文化子どもの学習支援連絡協議会」メンバー。

国、中国、ブラジル、タイ出身の12人が出席した4月中旬の「ゆうの会」日本語教室。熱海アイ子さんは2グループに分かれたうちの4人と、病気になった時どうすればいいか、医師への説明、診察申込書の書き方などの表現を一緒に考えます。前の週に学んだのは110番、119番への連絡方法。生活に必要なことから学びます。
数年前、日本語講師を頼まれ「気軽に引き受けてしまった」と熱海さん。外国語として学ぶ日本語の難しさに戸惑ってていたころ、県の国際交流協会の日本語講師養成講座を受講し、学びを深めました。平成10年「ゆうの会」を設立し、外国語講師や結婚で来日した人々などの日本語学習を支援。「日本語を教えるだけでなく、外国の文化も教わったりと、相互に学ぶことが楽しい」と気負わずに取り組み続けます。
事で来日したブラジル人が多く住む当市。これまでは仕事中心で地元との交流が少なかったそうですが、失職をきっかけに同会の講座に通い始めた人も。昨年から予防接種一覧表のポルトガル語版作成、2月からのハローワーク一関へのポルトガル語通訳の設置も、同会の働きかけを機に実現したものです。
市の外国人は993人(4月1日現在)。「今や外国人はお客様ではありません。当たり前のこととして、一人の人として向き合い、違いを認めることで協力し合えるはず」と訴えます。

(広報いちのせき 平成21年5月15日号)