「早く一人前になりたい」こつこつ努力を積み重ねて建築工事の基盤を支える

大村満昭さん

大村満昭さん能五輪国際大会に「タイル張り」で出場。

住田町出身。高校卒業後、㈱奈良屋勤務。

20年春の技能五輪全国大会優勝、同年秋の同大会準優勝。

築や製造などの現場で、ものづくりを支えるのは高い技能を持った職人のマンパワー。その技能を若手に継承することは、現代の大きな課題とされています。厳しい国内予選を勝ち抜いた世界の若手技能者が、磨き上げた技を競い合う技能五輪国際大会。9月、カナダのカルガリーで45の職種で競われた第40回大会に、タイル工事やリフォーム工事を行う㈱奈良屋の大村満昭さんが挑みました。
「大会で得たものは応用力。事前に提示された課題から変更点も多いので、自分で考えないといけないから」と振り返る大村さん。4日間かけてカナダ国旗やヘルメット柄の壁、床を丁寧に仕上げました。工具のトラブルにより作業が遅れ、目標の入賞は果たせなかったものの、休日返上の数カ月の特訓で大きなものを得ました。
代の若手が連続15年、技能五輪全国大会に県代表として出場し、多くが上位入賞を果たす同社では「まだまだ半人前。早く一人前になりたい」と気を引き締める大村さん。新人は3年間寮生活を送り、技術はもちろん社会人としてのマナー、礼儀をみっちりと学ぶ、いわば現代版徒弟制度で若手を育てる同社。寮長として寝食を共にし、技術指導に当たる金野恵治さん(58)は「大村君は人の2倍は練習する努力型」と評価。「今後は世界大会出場に恥じない態度で仕事に励んでほしいし、将来は人をきちんと使って仕事のできる職人になってほしい」と期待を込めます。


(広報いちのせき 平成21年10月15日号)