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「舞い手を気持ちよく踊らせたい」昭和のテープを頼りに“牧澤の形”を追い求める
牧澤神楽で胴取を務める阿部大樹さん
小・中学校で鶏舞を体験。
平成14年から友人らと神楽の伝承に取り組み、太鼓をたたく胴取を担当。
真柴。30歳
南部神楽発生の地であり、神楽伝承が盛んな本市。地域の先輩から技を受け継ぐことが一般的な中で、昭和の末期に一旦途絶えた神楽を平成14年、小・中学校で鶏舞を経験した地区内の若者が中心となって復活させたのが牧澤神楽です。 |
スタート時には他の神楽団体から基本を教わったものの、その後は昭和に撮影された牧澤神楽のビデオから学んでは、演目の数を少しずつ増やしています。若者ならではの勢いで取り組み、今秋の全国青年大会郷土芸能の部に2度目の出場を果たすなど、内外から高い評価を受けています。 |
舞台進行の要、胴取を務める阿部大樹さん。太鼓をたたきながら神楽唄を謡い、場面展開に応じて喜び、悲しさ、怒りなどを表現します。「舞い手が気持ちよく役に入り込めるように、舞手の表現を支えるのが役目」と裏方に徹します。一緒に練習を重ねる舞手の岩渕潤さん(29)は「太鼓の音や声でその日の調子がわかる」と厳しいけいこを経た仲間同士の信頼関係がうかがえます。 |
豊作や厄よけのために神様に奉納する「神舞」、物語性の濃い「劇舞」があり、他の団体では劇舞に力を入れることが多い中、牧澤神楽は「神楽の原点」とあえて「神舞」に力点を置きます。「音楽、舞、歴史と多くの要素を含む神楽は総合芸術。若い人にも見てほしい」と願う大樹さん。「自分たちの演舞がきっかけになれば」と仲間と共に伝統芸能のすそ野を広げたいと夢見ています。 |
(広報いちのせき 平成21年11月15日号)
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