岩手・宮城内陸地震からの復興 この2年vol.3
国道342号が待望の再開通
20年6月14日、本市西部を震源とする岩手・宮城内陸地震が発生してから2年。
大規模な道路の崩壊などにより通行止めが続いていた国道342号真湯・須川間は5月30日、待望の再開通。市民や関係者らが盛大に復興を祝いました。
前日の29日には再開通を祝うウオーキングやリレーマラソンが行われました。
被災地歩き復興を実感
国道342号の再開通に合わせて5月29日に行われた真湯・須川間ウオーキングとリレーマラソンは、岩手・宮城内陸地震からの復興を祝うとともに平泉の文化遺産の世界遺産登録を祈念しようと開催されたもの。ウオーキングには抽選で選ばれた342人と関係者ら、リレーマラソンには市内7地域と近隣市町村などから選抜された12チームと関係者ら、合わせて約500人が参加。
真湯ゲートから新緑の須川高原を目指し、復興を喜び合いました。
ウオーキングでは大規模崩壊現場で工事関係者が復旧工事の概要を説明し、改めて被害の大きさを実感。途中、雨や霧に見舞われたものの全員が無事に完歩しました。リレーマラソンは各チーム5人が自由に交代して15.2キロメートルを走破。
参加者は急勾配が続くコースに苦労しながらもすべてのチームが完走し、一足早く到着していたウオーキング参加者らに迎えられ、互いに健闘をたたえ合いました。
5月29日(土)新緑の中ウオーキングとマラソンで復興祝う
被災地の復興状況アピールする機会
小野寺健一さん東山・リレーマラソン参加
猊鼻渓命名100年のPRも兼ねて船頭姿で参加しました。
須川までの国道は車では通りますが、走るチャンスはないと今回参加。
落下した橋の復旧状況を知 らない人も多いと思うので、被災地の復興をアピールする非常にいい企画だったと思います。
開通喜び車両が須川へ
翌30日は、国道342号真湯・須川間の15.3キロメートルが待望の再開通。
午前10時から真湯ゲート前で行われた開通式では、達増拓也県知事が「この地域の活力が以前より増して、交流が促進されることを願う」と式辞を述べ、関係者によるテープカットとくす玉開披が行われました。
須川高原温泉駐車場は「もちつき」や「もちまき」で祝賀ムード。
正午に一般車両の通行が開始しました。
真湯ゲート付近では早朝から車が行列し、正午近くには300台以上が連なりました。
市内の太鼓団体による勇壮な演奏の中、ご当地ヒーロー「ゲイビマン」が記念品を手渡し、交通安全を呼び掛けていました。
矢びつ温泉瑞泉閣では実行委員会による開通祝賀会が行われ、実行委員長の勝部市長が「関係機関の連携により順調に復旧、復興が進められたことに感謝する。本年を震災復興元年として「元気な一関」を発信していく」とあいさつ。
関係者が2年間を振り返り復興を祝いました。
このほか、道の駅厳美渓では厳美産直協議会による第1回産直市が催されました。
今後、6月26、27日には栗駒山への記念登山が行われるほか、11月まで各種イベントが計画されています。
5月30日(日)待ちわびた国道開通 多くの車列が須川を目指す
地域の観光が元気になることを期待
稲垣榮さん
須川高原温泉代表取締役栗駒山は3県にまたがる山。
国道の再開通によってまたつながることができてうれしい。
支えてくれた皆さんに感謝します。
この2年、苦労はあったが従業員の頑張りで乗り越えた。
この地域の観光がより一層元気になることを期待します。
(広報いちのせき 平成22年6月15日号)