室根神社祭のマツリバ行事~室根~ 

昭和60年1月、国の重要無形民俗文化財に指定された室根神社祭のマツリバ行事

北上山地の南端、市の東部に広がる緩やかな丘陵地にそびえる室根山。その8合目にある室根神社は、本宮、新宮の2社があります。

本宮は養老2(718)年、鎮守府将軍大野東人が、当時霊威天下第一とされていた紀州婁郡本宮村(現在の和歌山県田辺市本宮町)の熊野神をこの地に勧請(じょう)。

蝦夷との戦いで苦戦したことから、神の加護を頼ろうとしたものです。

熊野神の分霊は、和歌山県から船で5カ月間もかかって現在の宮城県気仙沼市唐桑町に到着。東人は白馬17騎の諸郷主を招集して神輿を迎えました。

勅使から天皇の勅書を受けた後、神主にどの地に祭るかの神意を伺ったところ、室根山とお告げがあったため、室根山の8合目に室根神社が建立されました。

その日が養老2年の旧暦9月19日で、元年が閏年でその翌年の勧請であったことから、その古例を守って閏年の翌年の旧暦9月19日を大祭としています。

新宮は、正和2(1313)年9月、陸奥の守護職葛西清信が紀州牟婁郡新宮村(現在の和歌山県新宮市)から熊野神宮の神霊を勧請。奥七郡の鎮守として祭ったものです。

大祭は、本宮勧請の様子を再現したもの。

荒馬17騎、袰先陣(曲ろくの花と大名行列)、袰祭まつり(山車6台)、舞姫による舞が豪華絢爛に行われ、ほぼ当時の様式のまま継承されています。

大祭のメーンとなる3日目朝の「マツリバ行事」は、室根神社から出発し、室根町折壁地内にある祭場まで本宮・新宮両宮神輿を陸尺で担ぎ、先着争いをしながら宮に安着させるという荒祭り。

東北名代荒祭りといわれるゆえんとなっています。

神社の歴史と由緒を現代まで継承し、貴重であると評価されている大祭。

室根神社祭のうち「マツリバ行事」が、昭和56年の県の文化財指定を経て、昭和60年には国の重要無形民俗文化財となりました。

地域での特色ある壮大な祭りとして、現在も継承されています。


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 (広報いちのせき 平成22年11月1日号)