揃いの法被で元気を届ける

揃いの法被で元気を届ける

4月3日、一関16西民区(世帯数300)の皆さんが陸前高田市広田町の集集落で炊き出しを行いました。

同区区長の尾形洋さん(70)は、「われわれで何かお手伝いできることはないか考えていた」と語り、本市災害対策本部を通じて日程を調整し、訪問が実現しました。

同区の青婦部とPTAの皆さんが中心となり、当日は18人が参加。
食材やテント、ガス、調理器具を積んだトラックとワゴン車2台に分乗し、目的地を目指しました。
集落までの途中、がれきが山のように重なり合う陸前高田市街地から広田地区への道路を通過。
「震災後初めて来たが、びっくりした」と参加者は驚きを隠せない様子でした。

到着後、さっそく炊き出しの準備。
メニューは、炊き込みご飯、豚汁、漬物、ホウレン草のおひたしで、食材は前日に同区婦人部の皆さんが下ごしらえしたとのこと。
また、焼きイモも用意しました。
正午頃から集落の住民の方々も会場となった集落公民館に集まり始め、出来上がった料理は昼食として振る舞われました。

訪れた広田町集地区は、漁業を中心とし、24世帯が暮らす集落。
震災直後から停電と断水が今でも続いています。
同集落の自主防災組織役員の伊藤安治さん(63)は、「電気も水道もまだ復旧していないが、集落の公民館を新築していたので、毎日、ここに集まり物資の受け取りや情報交換を行っている」と集落での取り組みを語ってくれました。
また同集落で漁業を営む菅野修一さん(59)は「おなかいっぱい食べた。ありがたくいただいた」と話し、「この集落では、自分たちでできることはやろうと話し合っており、中高校生も協力してくれている。」と地域のまとまりを強調していました。
さらに「これからのことは心配だが、前を向いていくしかない」と決意を語ってくれました。

尾形区長は「地震を経験して老人に対するバックアップなど考えさせられることも多く、今後、自主防災組織を中心に課題解決に向けて活動していきたい」と話していました。
市内各地域では、物資の提供や炊き出しなど被災地への支援活動が行われています。

(広報いちのせき 平成23年4月15日号)