停電回避のために

3月11日発生の東日本大震災により、経験した数日間の停電。風鈴
日々の暮らしが電気によって成り立っていることを改めて気付かされたあの時―。
今年の夏は、電力不足のための大規模停電の回避をみんなで考え、取り組む。

不足が予想される電力

東日本大震災により東北電力管内の太平洋沿岸の発電所(原子力・火力)のほとんどが被災や自動停止などにより稼働していません。
そのため、1年で最も電力を使う7~9月にかけて大幅な電力不足が予想されます。

今夏の電力供給は、東京電力から最大140kWの融通を受けた場合でも1370万kWの見込みです。
昨年並みの猛暑となった場合には、最大で1480万kWの需要が想定され、110万kW(▲7.4%)の供給不足が生じてしまいます。
需要が供給を一瞬でも上回った場合、大規模停電が発生します。

このような事態を避けるため、政府は「電力使用制限令」を発動し、大口利用者には昨夏比15%の削減を義務付け、小口利用者や一般家庭では15%の削減を目標としました。

節電と節約

節電することで、家計の節約にも一役買います。

例えば、月200kWhを使用している一般家庭で消費電力を15%(30kWh)減らすと670円程度節約できます。
さらに契約電力を10A下げると基本料金が315円安くなります。

契約電力を下げるとブレーカーが落ちることがあります。
それは同時に使用した家電品が多すぎるために起こります。
一つの家電品の使用をやめ、再度ブレーカーを入れることによって復旧し、他の家電品はそのまま使用できます。

契約電力の変更については東北電力によると、「分電盤のアンペアブレーカーの取り替え工事は、東北電力スタッフが行い、取り替え工事の費用は無料」となっています。
詳しくは、東北電力コールセンター電話0120(175)266へお問い合わせください。

簡素な暮らしが節電の一歩

この夏は、一人一人が意識して節電に心掛けることが必要です。
まずは身の回りに注意を払ってみましょう。

今、使用していない家電品はありませんか。
それがコンセントに接続されていたならば、プラグを抜きましょう。
待機電力を削減できます。

あまり使用していない乾燥機や冷凍庫などはありませんか。
多量に電気を消費するこれらの家電品の使用を中止することがまずは対象になります。

家の中に複数台ある家電品はありませんか。
冷蔵庫は保存する食品を少なくし、古い方の使用を中止すれば大幅な節電になります。
テレビは家族が一室で見れば節電だけではなく、一家だんらんにもなります。
冷房する部屋は極力一室とすれば節電できます。

買い換えも一つの手

古い家電品は、買い換えによって大幅に節電できることがあります。

近年の製品は省エネに取り組んでいるものが多く、10年以上使用していた冷蔵庫やエアコンを新しいものに買い換えただけで、電気代が年3000円以上安くなることもあります。
ただし、サイズは今までと同じくらいにすることが大事です。

白熱電球は、電球型蛍光灯に買い換えると、同じ明るさでも5分の1の消費電力となります。
また、LED電球にすると、寿命も長く、消費電力はさらにその半分になり、効果的です。

ピークを避ける

電力は、平日の日中(13時~16時頃)に需要のピークを迎えます。
そのピーク時に電力使用を極力抑える工夫も必要です。
炊飯は早朝にまとめて、掃除、洗濯は朝に済ませるなども家庭でできるピークカットの工夫の一つです。

事業所ではピーク時の電力使用を分散させるために、土日を出勤日とし、他の平日を休みとする方法もとられています。
早朝出勤や午後は在宅勤務などの対応も計画されています。
昼休み時間をずらすことも有効です。
勤務日や勤務時間を柔軟にし、ピークシフト※を検討してみましょう。

※ピークシフト(計画調整契約)…電力会社が割引料金で電力を供給する代わりに、大口需要者が電力消費のピークを避けるため計画的に振り替えること

夏の電気の使われ方のとK兆と節電ポイント

夏の電気の使われ方のとK兆と節電ポイント出典:東北電力(株)ホームページ

節水・ごみの減量で節電

毎日使用する水道水は電気によって、きれいな水となります。
使用された水も電気によって下水処理場に送られ浄化されています。
また、清掃センターではごみを処理する際に、送風機などの大型機械を電気で動かしています。
節水やごみを減らすことも節電につながります。

過度の節電に注意

節電に過剰になり、暑さ対策を怠ってはいけません。
猛暑の昨年は、熱中症よる死者は全国で1718人。
こまめに水分を補給し、エアコンなどの使用で、暑さを避けることも必要です。

再生可能エネルギーの導入

ライフラインは、一元化・系統化されているより、多元化・分散化された方が災害に強くなります。
原子力や火力発電のみに依存することなく、太陽光、風力、小水力、木質バイオマスなどの再生可能エネルギーを電力源とした小規模な発電所を多数立地することで、今まで以上に電力の確保が可能になります。

継続して取り組む

震災により、電力供給には限界があることを経験しました。
今年の夏からは、省エネに本腰を入れて取り組まなければなりません。
一人一人の取り組みが大きな節電へとつながります。
少ない電力消費でよりよい暮らしをすることを心掛け、節電や省エネ行動を一過性ではなく、継続して取り組みましょう。


事業所でできる節電の技

【照明】半分程度の間引き、空室の照明の停止、看板・外部照明など安全に配慮しながら消灯
【空調】超クールビズを励行し、空調温度を28℃以上に設定、空室の空調停止
【OA機器】使用していないOA機器は極力電源を切り帰宅時はプラグを抜く
【その他】エレベーターなどの利用を制限し階段を利用、自販機の照明消灯や設置台数の見直し

家庭でできる節電の技

【照明】日中は消灯、夜間の点灯時間の削減、照明器具の蛍光管を1本減らす
【空調】エアコンの温度を28℃以上に設定または扇風機を使用、すだれやつる性の植物などで日差しを緩和
【家電品】冷蔵庫は設定を「強」から「中」にし扉を開ける時間と保存食品を最小限にする
【その他】使用区域外の分岐ブレーカーを降ろす、便座の保温・温水をオフに設定

市役所で取り組む節電対策

【照明】間引き、昼休み時間の消灯、空室の消灯の徹底
【空調】クールビズ(29℃設定)の実施、空調設備の間欠運転、ブラインドの活用
【OA機器】省電力設定、使用していない電源プラグの抜去
【その他】節水の徹底、便座の保温・温水洗浄・エアタオルの中止、自動販売機の消灯要請、指定管理施設への節電要請、節電パトロールの実施など節電アクションプラン

節電に関する政府の情報

  • 家庭で取り組む節電対策、事業者向けの節電情報を公開中です。
    節電ポータルサイトURLhttp://www.setsuden.go.jp/
  • 電話相談窓口…「節電ダイヤル」電話0570(064)443
     
問い合わせ先

一関地球温暖化対策地域協議会事務局(本庁生活環境課内)電話21-8342

(広報いちのせき 平成23年7月15日号)