COVER★第20回磐井清水若水送り
撮影日 1月1日 場所 平泉町内の県道110号

第20回磐井清水若水送り

藤原氏の盛時、
元旦には必ずこの泉より新水を汲みしという。
この泉の西に手繰坂と言う坂ありて、
毎年元旦に村の若者達坂の上に並び立ち、
新水を左右の手から手へと受け渡し、
平泉府まで運びしという。
(仙台府岡修天爵撰文並書から)

東山町の「第20回磐井清水若水送り」(同実行委員会主催)は元旦に行われました。

若水は、元日の早朝にくむ水のこと。
藤原秀衡(ひでひら)公が元旦に磐井清水の若水をくませ、奈良坂峠、東岳峠を越えて、柳之御所まで手送りで届けさせたという故事を再現したもので、今回が20回目。
平泉の世界遺産登録も併せた記念大祭となりました。

年が明けた午前1時すぎ、勝部修市長をはじめ参加者220人が東山町松川の磐井清水に集合。
20回を記念して建てられた歌碑の除幕が行われた後、松川小1年の新田礼君と父親の勇さん(43)が、厳かな雰囲気の中で若水をくみ、出発しました。

星空の下、桧笠(ひがさ)と白装束姿の一行は、ちょうちんの明かりを頼りに約20キロの道のりを進みます。
途中、甘酒などで体を温めながら、一度もおけを地面につけることなく、午前7時すぎ、無事中尊寺に到着。
震災からの復興と今年一年の幸せを願い、若水を山田俊和貫首(しゅんわかんす)に献上しました。

礼君は「水は重かったけど、頑張ってくみました」とにっこり。
勇さんは「20回の節目に(若水をくむ)大役を任せられ、身の引き締まる思いです。今年は多くの人に平穏で幸せな一年を送ってほしい」と話していました。

いちのせきの広報誌「I-Style」 平成24年1月15日号