地域医療を学びに全国各地から藤沢へ
住民と交流し、地域医療の魅力に触れる

4日常の行動

市病院事業(佐藤元美病院事業管理者)が進める地域医療は、先進的なもので、毎年、全国各地から多くの医療関係者が研修や視察に訪れています。

8月10日から12日までの3日間、老人保健施設「老健ふじさわ」を拠点に「第3回藤沢地域医療セミナー」が開かれました。
同セミナーには地域医療に必要な知識や技術を学ぼうと自治医大生や医療・福祉従事者など23人が参加。
講義や地域住民との交流を通して、藤沢の地域医療の魅力に触れました。

セミナー初日は、齋藤昭彦市保健福祉部長が自身の体験談を交えながら、市の高齢者の現状と医療・介護の連携について講話。
2日目の11日は、藤沢病院を支える会(西功雄(かつお)代表)会員が案内人となり、在宅医療の利用者や家族の生の声に耳を傾けました。

このうち今年1月から訪問看護を利用している鈴木利男さん(94)宅を訪れたのは、同会会員を含む9人。
「ずっと家にいたい」と言う利男さんを献身的に支える長女みえさん(63)は「看護師の接し方を勉強できたり、食事の相談などをできたりして助かっている」と話し、同会会員の小野寺房子さん(65)は「藤沢で暮らしてよかったと心から思う。
連携の取れた医療を展開しているので安心できる」と加えました。

夜は、同日から行われた「藤沢野焼祭」会場の藤沢中運動広場特設縄文村へ移動しました。
同会が開設した縄文テント村に腰を据えてまつりを堪能。
酒を酌み交わしながら、住民との距離を縮めて地域の魅力に触れました。

市病院事業が地域住民の協力を得ながら運営した3日間。
同セミナーの魅力は、言うまでもなく「住民との交流」です。
地域医療は、医療関係者の力だけでは成り立たないという根本をつかんだ、藤沢の地域性が生んだプログラムには直にふれあい、声を聴き、語り合う機会が設けられています。

参加者が今後、医療に従事する中で「大きな糧にしてほしい」と地域が一体となってエールを送った同セミナー。
普段は経験できない貴重な体験をした参加者の表情はたくましく、希望に満ちていました。

1齋藤昭彦部長 2参加者

3縄文てんと村 5縄文の炎
1)齋藤昭彦市保健福祉部長が30年の福祉事務経験を交えながら、市の高齢者の現状と医療・介護の連携について講話した
2)講義を熱心に聴く参加者
3)藤沢野焼祭会場に設置された縄文テント村で、地域住民と酒を酌み交わした
4)日常の行動や介護の様子を話す鈴木みえさん(左から3番目)。意見交換も活発に行われた
5)縄文の炎が燃え上がる野焼祭会場

広報いちのせき「I-style」9月1日号