夏休み期間を利用して行われた市内小中学校の除染工事は、8月31日までに14校で作業が終了した。
除染工事完了後の空間線量は、いずれも0.1マイクロシーベルト未満まで低下。
大きな効果が得られた。
除染現場を視察した達増拓也知事も除染作業の有効性を認識した。

14施設で除染工事完了

市は「一関市除染実施計画」に基づく小中学校などの施設の除染工事を進めています。
対象は、今春実施した「第5回学校等における一斉測定」で校庭の平均空間線量が毎時0.23マイクロシーベルト以上の施設。
 
工事は、校庭全体を重機で掘削し、剥ぎ取った土砂を埋設する大掛かりなもの。
市教育委員会は授業の支障にならないよう日程を調整し、夏休みに入った7月下旬から作業を開始しました。
 
7月23日の松川小学校を皮きりに始まった作業は8月31日現在、14校で作業が終了しました。
工事完了後の空間放射線量は、いずれも0.1マイクロシーベルト未満まで低下しました。
 
残る5校のうち千厩小、千厩中、室根中は9月中旬ごろの完了を、花泉、川崎両中学校は10月中の完了を見込んでいます。
 
市教育委員会の遠藤広幸政策推進監は「新人大会の練習なども考慮しながら日程を調整しています。一日も早い完了を目指しています」と話しています。

達増知事が現地を視察

達増拓也知事は8月24日、本市を訪れ、清田小(菊池香南子校長、児童40人)の除染工事を視察しました。
 
達増知事が本市の除染工事現場を視察するのは今回が初めて。
同校を訪れた達増知事は、市教委の遠藤政策推進監から、市除染実施計画に基づく除染作業の取り組みや17日から進められている同校工事の説明を受けました。
 
視察後、菊池校長らと意見を交わした達増知事は「工事によって市内小中学校の空間放射線量はいずれも低下しており、子供たちが安心して校庭を使える環境を取り戻しています」と除染工事の有効性を再認識していました。

除染作業
8月17日から30日まで行われた清田小学校の除染作業。
重機で校庭の表土を約5センチ剥ぎ取り、除去した土砂は、遮水シートで覆って校庭の一角に埋設。
上から約30センチの土をかぶせた。

達増知事
達増拓也岩手県知事に除染作業を説明する市教育部遠藤広幸政策推進監

広報いちのせき「I-Style」 平成24年9月15日号