東北大学附属図書館医学分館所蔵
新撰病草紙(しんせんやまいのそうし)

新撰病草紙(しんせんやまいのそうし)

江戸幕府医学館の助教大膳亮好庵(道敦)が嘉永3(1850)年、平安・鎌倉期の「疾の草紙」に倣って折々に書きとどめてきた奇病・異病をまとめたものです。
16種の病気がそれぞれ彩色画と文章で説明されています。

図は、声が出ないほどに舌が腫れた女性の様子です。
向き合っているのは、針やはさみなどの医療器具を駆使して診療する医師。
傍らでは弟子がこう薬を準備しています。
大量の血を排出することで治癒したとあります。
庶民の間で医師への受診が一般化した江戸時代の外科医療の様子を知ることができる貴重な資料です。

一関藩医建部清庵の生誕300年を記念して開催する企画展「江戸時代の病と医療」(11月11日(日)まで)に展示します。

広報いちのせき「I-style」10月1日号