世界中の誰もが素晴らしいと認めるもの、それが“世界遺産”

市では、「平泉の文化遺産」(注1)の一つ“骨寺村荘園遺跡(ほねでらむらしょうえんいせき)”の世界遺産登録を目指して、さまざまな取り組みを進めています。今回から広報でも、“世界遺産と骨寺村荘園遺跡”について順次紹介していきます。

 世界遺産とは、“世界遺産条約(注2)に基づく世界遺産リストに登録されている物件のこと”をいいます。
 世界中の素晴らしい自然や建物などは、特定の国や民族だけのものではなく、地球に住む私たち一人一人にとって、かけがえのないものであり、それを人類共通の宝物として保護していこうというのが世界遺産の考え方です。
 それでは、どういうものが世界遺産になるのでしょうか。世界遺産条約の中では、“顕著な普遍的価値を有するもの”と書かれています。つまり、“世界中の誰もが素晴らしいと認めるもの”こそが、世界遺産になり得るのです。
 本寺地区の“骨寺村荘園遺跡”は、14世紀ごろに描かれた陸奥国骨寺村絵図(むつのくにほねでらむらえず)(注3)の景観が大きく変わることなく現在まで続いています。国の文化財保護審議委員会では、骨寺村荘園遺跡を「絵図に描かれた日本の中世村落の景観を今も確認できるということは、ほかには例がなく素晴らしい」と評価しており、その価値はまさに世界遺産にふさわしいものです。

・注1 平泉の文化遺産…平泉町内にある遺産だけではなく、12世紀ごろ、平泉を中心にこの地域を支配した藤原氏に関係のある遺産をいいます。奥州市の「白鳥舘遺跡」や「長者ケ原廃寺跡」も含まれます。
・注2 世界遺産条約…正式名は、「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」といいます。1972年にユネスコ総会で採択された条約で、日本は、1992年に125番目の締約国となりました。
・注3 陸奥国骨寺村絵図…境界をめぐる争いの時に描かれたと考えられる絵図で、詳細絵図(在家絵図)と簡略絵図(仏神絵図)の2枚があります。

問い合わせ先
骨寺荘園室 TEL0191-21-2111(内線8470・8471)

(広報いちのせき 平成18年5月15日号)