子どもたちを受動喫煙の被害から守るため、皆さんのご理解とご協力をお願いします

校庭で元気に遊ぶ子どもたち。その健やかな成長をみんなで支えましょう

 たばこと健康の問題への社会の関心が世界的に高まりを見せ、公共交通機関や施設の禁煙対策が急速に進んでいます。
 受動喫煙の防止を求める「健康増進法」(平成15年施行)は、「多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と定め、その一番先頭に記載されているのが、学校です。
 市教育委員会はこれまで、市立幼稚園、小中学校施設の禁煙対策について各校の判断で主体的に取り組むよう指示してきました。現在、70ある市立幼稚園・小中学校のうち、3園・9校で敷地内の全面禁煙を、また、6園・35校で校舎内の全面禁煙を実施しているほか、残りの園・学校でも分煙に取り組んでいます。こうした中、本年3月には「健康いちのせき21計画」が策定され、未成年や妊産婦をたばこの害から守り、未成年者の喫煙を認めない環境づくりの取り組みが、指針として明示されました。
 このような流れを受けて、市教育委員会では受動喫煙防止対策のあり方を改めて検討し、その結果、市立幼稚園・小中学校施設の敷地内を全面禁煙とすることにしました。
 これは、▽健康教育推進の視点から教育の場を禁煙とし、喫煙防止教育の一層の推進を図る▽学校をクリーンな環境に保ち、受動喫煙による健康被害から児童・生徒を守る▽教職員自らが禁煙することで、生徒指導上好ましい環境と、子どもたちに望ましい喫煙防止の意識付けを図るとともに、喫煙習慣を見直し、教職員の健康づくりを推進する機会の一助とする―ことを目的としています。
 今後、各園・学校で実施計画を作成し、保護者をはじめ学校施設利用者や来校者に対して周知を行っていきます。
 皆さんには趣旨をご理解いただき、ご協力をお願いします。

実施範囲

○場所…市立幼稚園および小中学校敷地内全域
○対象…園・学校敷地内に出入りするすべての人

実施時期

○10月1日から全面実施 ※9月末までを準備期間とし、準備が整い次第、各園・学校の判断で順次実施します。

市立学校でいち早く全面禁煙を実施した中里小の取り組みから

中里小学校阿部金悦校長(16年4月から現職) 「前任の佐藤孝昭校長が、▽子どもの健康教育の増進▽教職員や学校施設を利用する皆さんを含んだ大人への健康意識の啓発▽学校施設周辺にたばこの吸い殻が多く捨てられていたことに対する防犯の向上―の三つの点で学校敷地内の全面禁煙が必要と考え、関係する皆さんと話し合いを行うなどして、平成15年8月から実施しました。
 実施以降、▽校舎内や体育館入り口などに「完全禁煙」の張り紙を掲示し、学校を訪れる人への注意を喚起▽保護者や学校施設を利用する人たちに毎年の会議の際などに説明▽地域の皆さんに校報でお知らせ▽運動会や学習発表会などの大きな行事の際に放送で呼び掛け―などの啓発活動を継続して行っています。
 学校は学習や運動の場であることはもちろんですが、子どもに健康について指導を行うところでもあります。そうしたことから、学校を挙げて、率先した取り組みを行ってきました。
 取り組んで4年目になりますが、地域スポーツなどで学校を利用する方たちやスポ少関係者、地域の皆さんのご理解の下、敷地内禁煙は当然のこととして定着し、その意義も評価されていると感じています」

(広報いちのせき平成19年7月15日号)