地域のみんなが誇れる祭りへ 自分たちができる最大限のことを

「唐梅宵まつり」の開催に向け、打ち合わせするメンバー
「唐梅宵まつり」の開催に向け、打ち合わせするメンバー

今からおよそ400年前の天正18(1590)年。
当地方をおさめていた奥州葛西氏の家臣団が唐梅館(長坂城)に集結し、豊臣秀吉による小田原参陣要請に従うか否かの軍議を行ったと伝えられています。
戦国武将たちの熱い生き方を現代によみがえらせ、先人の心意気を感じることで当地域の発展を願い開催されてきた「唐梅館絵巻」。
今年で第11回目を数え、東山地域はもとより、一関市を代表する祭りとして定着しています。

勇壮に、そして華やかに繰り広げられる歴史絵巻。
この祭りをさらに盛り上げようと、軍議終了後に開かれた「唐梅宵祭り」の企画・運営を行ったのが「祭りプロジェクト」(菊地哲也代表)です。

昨年5月、唐梅館絵巻実行委員会は「地域に根付いた祭りにするにはどうしたらよいか」を検討するため、地域の若者を中心とした「祭りを考えるプロジェクトチーム」を発足することを決定しました。

当初は10人のメンバーでスタート。
まずは、唐梅館絵巻に対してどのようなイメージを持っているか、どのようにしたらもっと楽しんでもらえるか意見を出し合いました。
「お祭りって何だろう」「見に来た人に喜んでもらえると自分もうれしい」「自分たちの手で育てていく祭りにしたい」など、たくさんの意見が出され、昨年中の会議は打ち合わせ、リハーサルや反省会を含めると12回。
回を重ねていくごとにいろいろなアイデアが出され、また、メンバーの呼びかけなどから、プロジェクトへの参加者も増えていきました。

今年は、この「祭りを考えるプロジェクトチーム」を母体とした「祭りプロジェクト」を結成。唐梅宵祭りの全てを運営することになりました。

モットーは「枠にとらわれず、自分たちができる範囲で最大限のことをやろう」。
プロジェクトのメンバーも特に固定せず「その時参加できる人にやってもらう」のが基本です。
小道具や衣装のほとんどはメンバーの手作り。
音響や司会など、それぞれの得意分野を生かした役割分担とし、足りない部分は補い合いながら取り組みました。

取り組み始めて2年目ですが「初めから目標を高くしないこと。お客さんが一人でも100人でも同じ。来た人みんなに楽しかったと言ってもらえればいいですね」と語る菊地さん。

「東山には誇れる歴史と文化がある。地域の良さを生かしながら、手間と時間をかけて作り上げていくことで将来につなげていければ。今はたくさんのことを体験、吸収することが大事。今後も唐梅館絵巻をはじめとしていろいろなイベントに関わっていきたい」と夢をふくらませます。 

(広報いちのせき 平成23年12月1日号)