本日ここに、第60回一関市議会定例会が開会されるに当たり、提案をいたしました議案等の説明に先立ち、今後の市政運営について、所信の一端と主要施策の概要について申し上げます。

 1.はじめに 

わが国の経済状況は、少子高齢化や潜在成長力の低迷といった構造要因も背景として、力強さを欠いている状況であり、県内においても、景気の見通しについてはやや厳しい見方が広がっております。

このような中、政府は、民需主導の持続的な成長と一億総活躍社会の着実な実現につながる施策を打ち出し、経済の好循環の強化を図ることとしております。
この経済対策をはじめとする国の施策により、首都圏などの特定の地域だけでなく、当地方における景気の明るさが広がることを期待しているところであります。

平成29年度予算案をはじめとする今議会に提案する議案は、総合計画の将来像に掲げた「みつけよう育てよう 郷土の宝 いのち輝く一関」、この実現に向けた取組や多様な市民ニーズに的確に対応していくため、各施策の体系的かつ効果的な展開を進めていくためのものであります。
  

2.世界を観る眼で 一関を拓く  未来へのかけ橋予算

私は、市長就任以来、「中東北の拠点都市一関の形成」を政策の柱に掲げ、厳しい財政状況の中ではありましたが、可能な限り積極的な予算編成をして、子育て世代への支援拡充や教育環境の整備、雇用対策への取組等の施策を展開してまいりました。

平成29年度予算については、資源・エネルギー循環型のまちづくりへの取組、まち・ひと・しごとの創生への取組、そして東日本大震災からの復旧復興への取組を重視するとともに、直面する課題や多様な市民ニーズに的確に対応していくことを念頭に予算編成を行ったところであり、その総額を645億4千6百万円、「世界を観る眼で 一関を拓く 未来へのかけ橋予算」としたところであります。
 

3.子どもたちの未来に残すまちづくり

(1) ILCを基軸としたまちづくり

私は、将来に向けたまちづくりについて、ILCが基軸であるとさまざまな場面で申し上げてまいりました。
ILCの実現に向けては、ILCの意義と価値や産業、教育、文化等の分野における地域への波及効果について、私自身が広く市民の皆さんに理解を深めていただくよう、講演会等を通じお話ししてまいりました。

ILCは、東北そして日本の未来を大きく変える可能性を秘めた夢のあるプロジェクトであると同時に、日本が国際貢献できる数少ないプロジェクトであることから、政府に対して日本としての決断の機を逃さず内外に向けて早期に誘致を表明するよう要望してまいります。
また、ILC実現に向け一層の普及啓発に取り組むとともに、地元の熱意を国内外に広く情報発信してまいります。

ILCが実現することにより、この地域は科学技術分野において世界をリードする最先端の研究が行われる地域となります。
そのため、地域の将来像を描きながら、長期的な視点に立って、世界中から訪れる研究者が安心して研究できる受け入れ環境の整備に向けた検討を進めてまいります。

英語や科学技術、ロボット、ICTなど、一関ならではの特色を生かした教育で、自らの未来と可能性を切り拓き、一関で、日本で、世界で活躍できる人材の輩出を目指し、国際化、グローバル人材の育成に向けた取組を進めてまいります。
そのためにも、市民の皆さまのご理解とご協力をいただいて、ILCの誘致実現に全力で取り組んでまいります。
 

(2) 資源エネルギー循環型のまちづくり

ILCを基軸としたまちづくりと合わせ、資源やエネルギーが循環するまち、いわゆる「エネルギーの地産地消」を目指した取組を進めていかなければなりません。

資源・エネルギー循環型まちづくりビジョンにおいて、まちづくりの方向性として掲げた「いかす・つくる・つなぐ 資源・エネルギー好循環のまち いちのせき」、この実現に向け、廃棄物の資源化と新エネルギーの活用を促進してまいります。

当市は、昨年、岩手県で初めてバイオマス産業都市として選定されたところであり、市内のバイオマス資源エネルギーによる循環型社会の構築に向け、さまざまな分野からの意見を伺いながら、バイオマス産業都市構想の具体的な取組を推進してまいります。

また、当市から、「使用済小型家電の回収金属で東京オリンピックのメダルを」と関係機関に提案をしてきたところでありますが、昨年11月、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、当市の提案の趣旨を踏まえ国民参加型のプロジェクトとして取り組むことを正式決定したところであります。

これを機に環境意識の高揚を図り、小型家電リサイクルや資源集団回収事業等の活動を、市民運動として展開するとともに、廃棄物の減量や資源化に向けた取組を一層推進してまいります。

 

(3) 世界の「財産」を生かすまちづくり

一関・平泉を中心としたこのエリアの地域資源を生かしたプロジェクトも、まちづくりの大きな柱となってきます。
平成23年、平泉の文化遺産が世界遺産に登録されました。そして平成25年には和食がユネスコ無形文化遺産に登録になり、その中で、当市の「もち」文化が地方に伝わる食文化として大きく取り上げらたところであります。
昨年11月には照井堰用水が世界かんがい施設遺産に登録され、さらには、当地方の「もち食文化」が農林水産省の「食と農の景勝地」に認定されました。

これらは、先人たちが大切に守り伝えてきた地域の財産であります。この財産をしっかりと受け継ぎ、そして確実に後世へ伝えていかなければなりません。

さらに、現在このエリアでは、平泉の文化遺産の拡張登録に向けた取組や世界農業遺産の認定を目指した活動が進められており、また、観光農業公園構想の導入可能性についても検討に着手しているところであります。
一関・平泉というこの極めてコンパクトなエリアで世界に誇れる多くのプロジェクトが動きだすことになります。
これらのプロジェクトを着実に進めていくためには、観光や農業という単独のくくりではなく、第一次産業、第二次産業、第三次産業の多様な関係機関との連携、そして市民レベルでの参画が重要であります。
こうした地域資源を生かしつつ、人口減少社会の中で地域経済を維持し、所得向上や雇用創出を図るためには、観光地域づくりをマネジメントする組織が不可欠であります。
このため平泉町と共に検討を進めてまいります。
 

4.最優先で取り組むべき施策

それでは、平成29年度に最優先で取り組む施策として、次の2点について申し上げます。

(1) まち・ひと・しごとの創生

まず、一つ目は、まち・ひと・しごとの創生、いわゆる人口減少社会への対応であります。
人口減少社会の中にあって、市民一人ひとりが夢や希望を持ち、豊かな生活を安心して営むことができる「まち」を形成し、地域社会を担う個性豊かで多様な人材となる「ひと」を確保し、さらには地域における魅力ある多様な「しごと」の創出を一体的に推進していくことが重要であり、それが人口減少の抑制につながるものと考えております。
 

⓵ しごとづくり

平成28年の人口移動報告によると、東京圏の一極集中に歯止めがかかっておらず、地方では若者の流出をいかに抑制していくかという大きな課題が依然として解消されない状況となっています。
当市においても進学や就職を機に若者が地元から離れる傾向が続いていることから、若者の地元定着を一層図っていくため、地場産業の成長をサポートし若い世代の雇用の受け皿を確保していくことが不可欠であり、雇用の大きな受け皿となる仙台圏も視野に入れた大きな枠組みでの雇用の場の確保や起業、創業の支援、さらには、移住定住の促進に取り組んでまいります。
 

⓶ 子育て応援

当市の人口減少の大きな要因は、出生数が死亡数を大きく下回る自然減であります。
全国で昨年の年間出生数が統計調査開始以降初めて100万人を下回ったと推計されており、全国的にも少子化が一層進んでおります。
私は、これまでも各分野が点ではなく線でつながるよう子育て支援に重点的に取り組んでまいりました。今後も若い世代の結婚、出産、子育てという人生の最も大切な場面をきめ細かに支援する一連の取組を強化し、切れ目のない支援をしてまいります。
 

⓷ 地域(まち)づくり

さらには、高齢化社会への対応も重要であります。
地域包括ケアシステムの構築とともに、健康長寿への取組は極めて重要であると考えております。健康づくりは地域づくりそのものであり、今後も健康長寿への取組を進めてまいります。
また、高齢化が進行する中、あらゆる分野において、高齢者を意識した施策の展開が必要であると考えております。人口減少社会にあって、高齢者は新たな担い手としても期待されておりますので、高齢者が住み慣れた地域で、いきいきと自分らしく日常生活を送ることができるよう、高齢者の生活を支える施策を展開してまいります。
 

(2) 東日本大震災からの復旧復興

最優先で取り組む施策の二つ目は、東日本大震災からの復旧復興であります。

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質による汚染対策については、農林業の生産基盤の再生、側溝土砂の除去など、市民の安全安心に向けた対策に引き続き取り組んでまいります。

農林産物については、汚染された牧草等の一時保管と処分を進めるとともに、今後も産地再生に向け生産農家の取組を継続的に支援してまいります。
また、牧草以外の農林業系汚染廃棄物については、一時保管施設での安全管理を継続するとともに、ほだ木や落葉層については、焼却によらない処理を含め適切に対応してまいります。

側溝土砂については、自治会等の協力を得ながら、適切な管理に努めてまいります。
なお、国に対して、最終処分に向けた方法を明らかにするよう申し入れをしているところであり、早期解決に結びつくよう努力してまいります。
東京電力に対する損害賠償請求については、引き続き原因者としての誠実で早急な対応を求めてまいります。

東日本大震災から、間もなく6年の歳月が経とうとしております。
私は、沿岸津波被災地との日常生活や経済面での交流を震災前にも増して活発にするためには、当市と陸前高田市を結ぶ国道343号及び当市と宮城県気仙沼市を結ぶ国道284号、いわゆる横串道路となる路線の整備が重要であると認識しております。
中でも国道343号については、新笹ノ田トンネル整備促進期成同盟会と連携して、新しいトンネルの実現に向け強力に取り組んでまいります。

沿岸津波被災地では、今もなお多くの課題を抱えており、今後とも近いところが助ける「近助」の精神のもと、職員派遣等を中心とする後方支援を継続してまいります。
 

5.重点施策:中東北の拠点都市一関の形成

次に、平成29年度の重点施策である、中東北の拠点都市一関の形成に向けた取組について、総合計画のまちづくりの目標に沿って申し上げます。 

(1) 地域資源をみがき生かせる魅力あるまち

まず一つ目の目標は、地域資源をみがき生かせる魅力あるまちについてであります。

農林業の振興については、農業所得の向上に向け、農畜産物の高付加価値化や「地産外商」の取組による販路拡大等に努めるほか、集落営農組織の育成や農地の集積を図り、当市の基幹産業である農業の振興と農村地域のコミュニティを維持、発展させる取組を進めます。
また、地域の林業振興や森林資源の活用を図ってまいります。

工業の振興及び企業の育成については、地域企業の品質管理能力の向上を図り、質の高いものづくりを支援するほか、企業誘致と併せ事業誘致に積極的に取り組むとともに、新産業、新技術の創出支援や農商工連携等の支援に努めてまいります。

商業の振興については、事業資金の利子補給や保証料補給、経営診断や運営相談の充実など、工業分野も含めて、中小企業の経営合理化、効率化を促進いたします。
また、空き店舗への入居支援やイベント開催等により、商店街の活性化を図ってまいります。

雇用・就労支援については、若者の地元企業への定着にしっかりと取り組んでいくとともに、女性や若者の起業支援、就業支援に努めてまいります。
また、地元企業の人材確保と、学生やUIJターン就職希望者等への支援を促進してまいります。

観光の振興については、全国ご当地もちサミット、一関・平泉バルーンフェスティバルや全国地ビールフェスティバルなど、全国的に知名度が高まってきているこれらのイベントを継続して実施するほか、平成29年度において、当市を会場に開催される全国ハーブサミットなど、さまざまなイベントを通じて当市の観光情報を全国に発信いたします。
また、仙台圏における観光キャンペーン等に取り組んでまいります。
 

 (2) みんなが交流して地域が賑わう活力あるまち

二つ目の目標は、みんなが交流して地域が賑わう活力あるまちについてであります。

道路の整備については、世界文化遺産の平泉、西の厳美渓、栗駒山、東の猊鼻渓、室根山など、魅力ある拠点をつなぐ交通ネットワークづくりに取り組んでまいります。
また、災害に強い道路ネットワークの構築のため、国県道の道路網の強化を促進するとともに、市道の整備を推進するなど、安全安心で快適に利用できる道路環境の整備を推進します。

公共交通については、平成29年4月から市営バス等の料金を統一するとともに、デマンド型乗合タクシーの運行の継続と新たな地区への導入の話し合いを進め、市民生活の足を確保してまいります。

移住定住の促進については、住宅取得補助金や空き家バンク等により、市外から人を呼び込み、新たな人材を地域で受け入れるための環境整備に取り組んでまいります。

結婚支援については、隣接市町と連携しながら、男女の出会いの場の提供や結婚活動の支援に継続して取り組んでまいります。
 

 (3) 自ら輝きながら次代の担い手を応援するまち

三つ目の目標は、自ら輝きながら次代の担い手を応援するまちについてであります。

子育て支援については、妊娠期から子育て期までの子育て世代の身近な相談窓口として、新たに子育て世代包括支援センターを設置し、母子保健コーディネーターによる相談支援を実施するなど、きめ細かな支援を提供します。
少子化が進む一方で、保育所等の利用ニーズが高まっていることから、家庭的保育事業の拡充等により保育の需要に応じた利用定員の確保を図るとともに、保育士確保に係る助成や保育士等人材バンクの活用等により保育人材の確保を図るほか、新たに公立幼稚園で預かり保育を実施するなど、待機児童の解消を図ってまいります。
また、小学生が放課後に安全に活動できる居場所を確保するため、放課後児童クラブの整備を進めてまいります。

教育については、「教育に関する大綱」に掲げる「学びを広げ、人と地域が共に育ち、一関の未来を創る」という基本目標の実現に向けて、教育委員会と連携して教育の振興を図ってまいります。
学校施設の整備については、統合千厩小学校の校舎、屋内運動場等を建設するほか、東山小学校の新校舎建設に向けた取組を進めてまいります。

社会教育については、生涯の各時期に応じた学びの環境づくりや家庭教育の支援を行うとともに、子どもたちの学びを社会全体で支援する取組を推進します。
地域協働体による市民センターの管理運営が円滑に進むよう、指定管理者に対する社会教育事業に関する研修や指導、助言体制を充実させてまいります。

文化芸術の振興については、多様で活発な文化芸術活動を促進するとともに、多くの市民が優れた芸術に触れる機会の充実を図ってまいります。

スポーツ振興については、スポーツ教室等を開催し、市民の健康づくりを推進するとともに、清田テニスコートの全面改修など環境整備や施設利用者の利便性の向上に努めてまいります。
また、各種大会や講習会等の開催により競技力の向上を支援してまいります。

世界文化遺産「平泉」と連携した地域づくりについては、地域住民との協働により遺跡、景観の保全に努めながら、骨寺村荘園遺跡の発掘調査や文献研究を継続して実施するとともに、県、関係市町と連携して拡張登録の実現に向けた取組を進めてまいります。
 

(4) 郷土の恵みを未来へ引き継ぐ自然豊かなまち

四つ目の目標は、郷土の恵みを未来へ引き継ぐ自然豊かなまちについてであります。

環境対策については、新たに太陽熱や地中熱利用設備の設置を支援するなど、新エネルギー・省エネルギーの取組を推進し、低炭素社会の実現に向けた意識啓発に努めます。
また、空き家の適正管理、利活用等の対策を進めてまいります。

公園の整備については、遊具の安全点検や更新を行うとともに、赤荻地区への整備を進めてまいります。

水道事業については、簡易水道事業と水道事業を統合するとともに、各地域の水道料金を統一します。
また、老朽管の更新や漏水調査により有収率の向上を図るなど、水道水の安定供給に努めてまいります。

汚水処理については、公共下水道の管路整備を進めるとともに、浄化槽設置の支援を拡充し、公共用水域の水質保全と快適な生活環境の向上に努めます。
また、水洗化率の向上や使用料収入の確保に向けて、下水道等の未接続世帯に対し早期の接続を促進します。
併せて、施設の長寿命化に向けた維持管理にも努めてまいります。
 

(5) みんなが安心して暮らせる笑顔あふれるまち

五つ目の目標は、みんなが安心して暮らせる笑顔あふれるまちについてであります。

市民の健康づくりについては、生涯を通じて市民一人ひとりが、自ら健康づくりに取り組むことができるよう、生活習慣病予防や介護予防、重症化予防を含めた健康づくり、こころの健康づくりを推進いたします。

地域医療については、医療・介護分野における人材の確保のため、医師修学資金貸付事業を継続するとともに、国保藤沢病院と市内県立病院等が取り組む総合診療医の養成事業を支援し、地域基幹病院等の負担軽減を図ってまいります。
また、医療介護従事者修学資金貸付事業、介護人材確保奨学金補助事業等により、人材の確保、育成、定着支援を推進してまいります。
併せて、医療機関の適切な受診のあり方の周知に努めるとともに、医療機関と連携し、地域医療体制の充実に努めてまいります。

高齢者の支援については、地域包括ケア体制の構築が必要であり、医療と介護の連携強化や高齢者世帯の見守り、相談支援体制の充実を図ってまいります。
介護保険制度の改正に伴い、平成29年度から介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる新しい総合事業へ移行することから、地域が一体となって要介護・要支援者を支える地域づくり、地域の実情に応じた介護予防活動を推進するとともに、認知症高齢者等の見守り体制の充実を図ってまいります。
また、高齢者の居場所づくりに引き続き取り組むとともに、シニア活動プラザの利用を促進し、社会参加や社会貢献活動を積極的に促進いたします。

障がいのある方々の支援については、自立と社会参加を目指して、基幹相談支援センターを中核とした相談支援体制の充実を図りながら、障がい者福祉を推進してまいります。

国民健康保険については、引き続き厳しい事業運営が見込まれておりますが、特定健康診査の推進等により健康の増進と運営の安定化に努めてまいります。

防災のまちづくりについては、平成29年度はカスリン台風から70年目となることから、一層の防災意識の啓発に努めるとともに、大規模災害に備えた訓練の実施や自主防災組織に対するリーダー育成等の支援、自主防災組織間の連携強化を促進し、地域防災力の向上を図ってまいります。
また、防災行政情報システムやFMあすも等により、災害時の迅速な情報提供に努めてまいります。
避難行動要支援者に対する避難支援や見守り活動等も引き続き促進してまいります。


治水対策については、一関遊水地事業をはじめとする治水事業を促進します。
また、土砂災害の警戒が必要な危険箇所の点検を実施するとともに、土砂災害警戒区域等の情報や警戒避難体制の周知を図ってまいります。

交通安全及び防犯については、地域が取り組む交通安全・防犯パトロール活動を支援します。
また、被害が急増している特殊詐欺の被害防止に向け機器購入に対し助成してまいります。

以上、重点施策の中から主なものを申し上げました。
 

6.市政運営の基本

市政運営の基本である協働のまちづくりは、地域の将来を築いていくために欠かせない仕組みであり、その仕組みを動かしていくのは「人」であります。
協働のまちづくりがより深く根づくよう各地域、各分野でリーダーとなる「人財」を発掘し、育てることに力を注いでいくことが重要であると認識しております。
市民がまちづくりの当事者としての意識をもって市政に参画するよう、市民との協働を基本として市政運営に当たってまいります。

各施策に取り組んでいくためには、その裏づけとなる財政の健全性の確保が必要であります。
当市の財政見通しでは、今後も厳しい財政状況が見込まれております。
このため、引き続き市民起点に立った質の高い行政サービスの提供ができるよう、一層の行政改革を進めてまいります。
また、公共施設等総合管理計画に基づき、具体的な施設保有のあり方について検討を進めてまいります。

まちづくりは一つの自治体のみで成し得るものではなく関係する自治体と協力、連携しながら進めることにより、より効果的なものにすることが可能となります。
地域課題の解決のためには、同じ通勤・通学エリア、同じ医療圏、同じ文化圏など共通するエリア内での連携が重要であるとの認識のもと、宮城県栗原市、登米市、そして平泉町との連携に取り組んでいるところであります。
これまで、就労支援や介護人材確保のためのトップセミナー、あるいは男女の出会いの場の創出などの事業を実施してまいりました。
私は、県境を越えて、より大きな枠組みでのダイナミックな連携が不可欠だと考えております。目指すべきところは、ヒトやモノの流れを生む圏域づくりを進めていくことであり、それが中東北の拠点都市の形成に向けた取組であります。その目標が現実味を帯びてきているところであります。
今後、この連携をより充実させてまいりたいと考えております。

私は、市長就任以来、移動市長室等により、市民の皆さんの声を直接伺う機会を設けてきたところでありますが、さらに、高校生との意見交換会や子ども議会の開催等を通じて、若者の市政への関心を高め、市政への参画を進めてまいりたいと考えております。

また、行政に対する市民の満足度を高めることを基本とし、行政サービスの品質の向上に向け職員と一丸となって取り組んでまいります。
 

7.おわりに

私にとって20年来の念願でもあるILCが、いよいよ現実のものになろうとしております。
現在、文部科学省が設置した有識者会議において、日本誘致に向けた諸課題の検証が行われているところでありますが、平成29年度末までに検証結果の最終報告がとりまとめられ、この報告を受けて政府が日本誘致の判断を行うこととされております。
このように、政府判断までのこの1年は、ILCの実現に向けて、まさしく正念場であり、非常に重要な1年になると認識しております。

この地方には、平泉の文化遺産という世界の財産があります。また世界かんがい施設遺産や世界に誇れるもち食文化があります。そして世界農業遺産に向けた取組が進んでおり、さらに、これに加えてILCが実現することにより、世界最先端の科学技術の拠点という、もう一つの世界の財産が形成されることになります。
この一関・平泉というエリアの中に数多くの財産が生まれてまいります。
このような、世界の財産が集うまち、そしてその財産を子どもたちの未来に残していくためのまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

私が思い描く一関の姿は、
「世界の人々から親しみをもたれるまち」
「世界の人々から信頼されるまち」
であります。
市民の皆さまのご理解とご協力をいただき、誰もが幸せに暮らし、希望が持てるまち、そのような「一関」を目指してまいりたいと思います。

未来に向けて、志と覚悟を持って、積極果敢に挑んでいく決意でありますので、議員各位並びに市民の皆さまのご理解ご協力を心からお願い申し上げます。
以上、今後の市政運営についての所信の一端と、施政方針について申し述べさせていただきました。