新しい時代を切り拓き豊かな心を育む学びのまちづくり

鈴木功教育委員長が2月23日、第27回市議会定例会で述べた教育行政施策の概要をお知らせします。

鈴木功教育委員長第27回市議会定例会の開会にあたり、平成22年度の教育行政施策について申し上げます。
今日の社会の現状は、高度情報化、経済のグローバル化、少子高齢化による人口構造の急激な変化、全国的な経済の不況による雇用の悪化、深刻化を増す環境問題や社会全体の規範意識の低下など、社会経済環境が大きく変化してきております。
このような中、子供たちには、自らを律し、協調しながら社会で自立し、その生涯を切り拓いていく力が求められております。
また、子供たちに限らず、あらゆる分野で活動する人々が、それぞれの持つ希望や目標を社会の中で創造的に実現するために、生涯にわたって学ぶことができる環境づくりが大切と認識しております。
当市の教育振興につきましては、こうした社会の変化等を踏まえながら、一関市教育振興基本計画に基本目標として掲げる「新しい時代を切り拓き豊かな心を育む学びのまちづくり」の具現化に向け、生涯学習、学校教育、社会教育、文化芸術、生涯スポーツの各般にわたる教育行政施策に取り組んでまいります。以下、その具体について申し上げます。

人生を豊かにする生涯学習の推進

一つ目に「人生を豊かにする生涯学習の推進」について申し上げます。
一関に住み暮らす誰もが、人と人とのつながりで構成される社会の一員として、自覚と責任を持ちながら、生涯の各時期において、主体的・継続的に自己の研鑽を深め豊かな人間性や社会性を身につけることが必要であります。
このため、学習ニーズにあった機会や情報の提供等を行いながら学習環境の充実を図り、家庭教育・学校教育・社会教育のそれぞれの領域で、連携を深め生涯学習を推進してまいります。
特にも、次代を担う子供たちが、社会の激しい変化に流されることなく、それぞれが直面するであろうさまざまな課題に柔軟にかつたくましく対応し、社会人、職業人として自立していくことができるようキャリア教育についての取り組みを進めてまいります。
さらに、読書は、子供たちが自ら考え、行動し、主体的に社会の形成に参画していくために必要な知識や教養はもちろん、常日ごろの読書活動を通じ、生涯にわたって絶えず自発的に学ぼうとする習慣を身に付けさせると考えますことから、読書の大切さについて家庭、地域の共通理解に努めてまいります。

新しい時代に生きる力を育む学校教育の推進

二つ目に「新しい時代に生きる力を育む学校教育の推進」について申し上げます。
学校教育につきましては、確かな学力と豊かな心を育てる教育を基本にし、ことばを大切にする教育とキャリア教育を重点に進めてまいります。
確かな学力の育成につきましては、児童生徒の学力実態把握に努め、指導主事および学習指導専門員による全小中学校に対する学力向上指導・支援の充実を図ってまいります。また、新教育課程を踏まえた学校研究公開や、全小学校へのALT派遣による小学校外国語活動の充実に努めてまいります。
豊かな心の育成につきましては、不登校等の学校不適応に対応するため、教育相談員による相談事業、適応支援教室「タンポポ広場」における学習・相談活動を進めてまいります。また、幼児期からの就学指導をはじめ、特別支援コーディネーターおよび学校サポーターを中心として、特別支援教育への一層の支援に努めてまいります。
ことばを大切にする教育につきましては、研究推進校の指定と「ことばの力を育てる指導員」の配置、児童が集う「ことばサミット」開催などを通して、ことばを大切にする運動を、全小中学校に広げてまいります。また、学校・家庭の連携により一関のすべての子供が、15歳までに700時間の読書時間を達成するよう読書指導を展開してまいります。さらに、読書普及員を新規配置し、学校図書館がふれあいと学びの場となるよう努めてまいります。
キャリア教育につきましては、市内全中学校の2年生を対象とした原則5日間の長期社会体験学習を実施するとともに、フォーラムを開催し、その大切さを市民・地域社会と共有することに努めてまいります。さらに、小中学校への連携推進研究指定や、市内幼稚園から大学までの代表で構成する学校運営推進協議会での情報交換を通じ、幼稚園、高校、大学とも連携したキャリア教育を推進してまいります。
義務教育施設環境の整備につきましては、大原小学校のプール建設、屋外環境整備、川崎中学校の校舎建設、萩荘中学校屋内運動場の改築、涌津小学校校舎の大規模改修、日形小学校、千厩小学校の屋内運動場の耐震補強および一関中学校武道場建設事業を推進するとともに、千厩小学校校舎、長坂小学校屋内運動場、猿沢中学校屋内運動場および興田中学校校舎の耐震改修実施設計、大東中学校区統合小学校の校舎実施設計、山目小学校校舎の大規模改修の実施設計に取り組んでまいります。
また、学校規模の適正化に向け、市民理解を得る取り組みを引き続き進めてまいります。
学校給食につきましては、安全安心な給食の供給を心がけながら、食育に意を配した運営に努めてまいります。また、新しく開設される(仮称)真滝学校給食センターからの供給により、市内全域の小中学校で完全給食が実施されることになりますが、その運営にあたっては、地場産食材の利用に努めてまいります。
さらに、(仮称)千厩学校給食センターにつきましては、平成24年4月からの供給開始を目指し、実施設計に取り組んでまいります。

共に学び触れ合う社会教育の推進

三つ目に、「共に学び触れ合う社会教育の推進」について申し上げます。
社会教育事業につきましては、市民一人一人が豊かな人間性や社会性を身につけ、時代の変化に対応する生きがいのある昨年12月に開館した東山図書館充実した生活を支援するため、多様な学習機会の提供や学習活動の促進に努めてまいります。また、ことばを大切にする事業として、公民館でのことば地元学講座の開催や図書館でのことばをテーマにした企画展などを実施してまいります。さらに、深刻化する経済情勢の中で社会人基礎力を身につけた人材が強く求められてきており、「いちのせきキャリアカレッジ」を開催するなど、社会人としてのキャリア教育にも取り組んでまいります。
図書館施設につきましては、一関図書館整備に係る基本構想および基本計画の策定を進めるとともに、市民の参画をいただきながら建設場所の選定を進め、基本設計業務に着手してまいります。また、室根図書館の支所内移転についても実施してまいります。
公民館施設につきましては、旧弥栄中学校を改修し弥栄公民館として活用を図るとともに、大原公民館ホール天井工事や花泉公民館トイレ改修工事など公民館施設の維持修繕工事を実施してまいります。

多様で個性ある文化の創造

四つ目に、「多様で個性ある文化の創造」について申し上げます。
文化芸術の振興につきましては、郷土芸能の伝承保存の支援に努めるとともに、一関文化会議所など関係団体との連携を図り、市民の多様で活発な文化芸術活動を促進してまいります。また、文化財の悉皆調査をもとにその保護、保存、活用に努めてまいります。さらに、骨寺村荘園遺跡の世界遺産追加登録に向け、地元の方々や専門家等の参画をいただきながら調査研究を進めてまいります。
一関市博物館につきましては、当市出身の日本画家 佐藤紫煙が遺した作品を紹介する企画展を実施してまいります。また、芦東山記念館では開館3周年特別展として「仙台藩の学問」の開催、石と賢治のミュージアムでは「鉱物から賢治の世界を知ろう」などの企画展や各種講座などを開催してまいります。

地域に根ざした生涯スポーツの推進
五つ目に「地域に根ざした生涯スポーツの推進」について申し上げます。
生涯スポーツにつきましては、各関係団体と連携を図り、スポーツ教室やスポーツレクリエーションの各種事業を実施し、市民の健康づくりの促進に努めてまいります。
また、国内のトップアスリートによる「夢の教室」事業を実施し、子供たちに夢を持つことや仲間と協力することの大切さを学ぶ機会を提供してまいります。
さらに、本年8月に当市で開催される東北総合体育大会のフェンシング、バレーボールおよび体操競技の円滑な運営に努めるとともに、真湯・須川間ウオーキングおよびマラソンを開催し、震災からの完全復興の情報発信に資してまいります。
社会体育施設につきましては、スポーツ施設の適切な維持管理に努めるとともに、磐井川堤防改修事業の円滑な推進と整合を図りながら、一関水泳プールおよび青葉テニスコートの移転改築事業の実施設計を進めてまいります。
以上、新年度の教育行政施策の概要を申し上げましたが、関係団体等との連携を図りながら、生涯にわたる市民の学習活動を促進し、「新しい時代を切り拓き豊かな心を育む学びのまちづくり」に尽力してまいる所存でありますので、皆さまのご理解、ご支援、ご指導を心からお願い申し上げます。

(広報いちのせき 平成22年3月15日号)