開始時刻 午前11時00分

 

 〇市長発表事項


1 市内全域への光ファイバーの整備について
【市長】
光ファイバーの整備については、一関では未整備地域が多いということから長年の課題として解決に向けて取り組んできたが、多額の費用が見込まれることなど様々ハードルが高いということから前に進まなかった。市長就任以来、何とかしないと本当の意味で合併効果が出てこないという認識のもとで取り組んできた。ようやく光が見えてきたと思う。確実なものにしていきたい。
一関市の光ファイバー整備率は、総務省の調査によると平成31年3月現在、89.33%となっている。岩手県の平均が95.5%。県内33市町村の中で28番目という整備率の低さとなっている。
未整備地域内の世帯数は約5,000世帯。整備の不均衡は当市が目指す将来像の実現に大きなマイナス要因となっており、光ファイバー整備は当市にとって極めて重大な課題となっていた。
そういった状況の中で、国の補正予算が決まり、高度無線環境整備推進事業に500億円予算措置されそうだという情報が入ったため、直ちに上京し総務省の担当室長、県選出の国会議員の先生方とお会いしてお願いをしてきた。
その結果、議会で答弁したように電気通信事業者から一関市を前提として考えるという返事をもらったため、議会であのような答弁をした。
整備事業の内容については、細部はこれから決めるが、基本的なこととして市内の未整備地域全体への整備を予定している。財源は国の高度無線環境整備推進事業を活用する予定。この事業は新型コロナウイルス感染症への対応を進めるために自治体または民間事業者によって整備する場合に国が補助する内容。整備主体として、民間の電気通信事業者。市が事業主体となることはできるが、のちのちの維持管理を行うことを考えれば総合的に判断して市が直接事業主体になるよりは民間事業者にやっていただいた方が適当である。
整備期間として、国の補助事業としては令和2年度の事業となっている。但し、年度内に完了することは難しいため、令和3年度への繰越事業を視野に入れて取り組んでいく。国でも繰越事業を前提として組みたてているようだ。よって、令和2年度事業着手、令和3年度事業完了となる。今後の流れは、具体的なスケジュールは見えてきていないが、事業者と市の間で事業実施に関する協定を結ぶことが必要。そして、事業者が国が行う補助事業の公募に対して申請を行う、ここでいう事業者は現時点では特定の企業名を出さないで欲しいという希望から敢えて発表の時も事業者という言い方とした。
整備費用について、精査中ですが概算で40億円。このうち国庫補助対象経費が約30億円。通信装置や光ケーブルの敷設などがメイン。そのうち、国の補助額が補助対象経費の3分の1であることから10億円。残りの20億円は本来事業者が負担となるが、市の補助金を入れたい。市の補助金については、超高速情報通信基盤整備事業補助金という名称を創設し、現在開会中している最終日に追加提案したい。
市の補助金の財源は、地方債及び新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用を検討している。これらの財源確保については県と協議中。
東京に行き、要請行動を行ったのは6月9日。相手先は総務省のブロードバンド整備推進室の室長。担当部署のトップと直接お話し会いを持つことができた。当市の置かれている状況やこれまでの経過の説明を行った。
この事業は、離島などの情報通信装置の整備するために活用されてきた。この機会に何とか課題を解決したい。これから作成するが、議会最終日の追加提案理由をお聞き願います。

●発表事項について
【記者】今回、国の推進事業予算の拡充に伴い光ファイバー整備を行うとのことだが、今まで市内の通信インフラ整備は国・県の補助金を活用し整備してきたと思うが、今回の場合と違う手法となるのか。
【市長】今までは事業者に依存することが大きかった。事業者はその地域にどの程度利用する人がいるのか見るので、採算性の問題がありなかなか進まなかった。今回は新型コロナウイルス対応ということもあり、国が思い切った予算措置を行ったことが大きい。
今までの手法を前提に考えると、このチャンスを逃せば半永久的に難しいと感じている。

【記者】未整備地域を教えて欲しい。
【市長】かなり広い地域に散らばっている。特に旧東磐井地区。大東の興田、大原地区、千厩など旧東磐井地区に多い。北上高地の一番南端に位置するエリアと思って欲しい。
ちょうど山の部分がリアス式のようになっている。地盤が下がっていくとリアス式海岸のようにノコギリの刃のようになる。今のリアス式海岸もおそらく地盤が沈降していって山の上の部分が残って海面に残っている。入り江になっているところが未整備となっている。

【記者】この整備におけるどんな効果を期待しているのか。
【市長】様々なことが可能になる。議会でご指摘されたのは、一関高専に通っている学生さんがネット(オンライン)での授業を前提としたものに対応した地域になっていないため、自宅から市民センターまで行き、授業を受けることが出来ているといった話を聞いていた。また、食の文化祭で有名な大東の京津畑地区では、自分たちの地域の情報発信を積極的に行いたいという希望が出されていた。
子供たちの教育環境については、かなり幅広く捉えてみるとプラスになると思う。これからの教育、社会の動きは光ファーバーを使う比率は高まってくるので活用してもらいたい。行政としてもどのような分野に活用できるのか調べてそれに合うような支援策があれば、しっかり取り組んでいきたい。

○その他


【記者】先週19日と昨日の一般質問に対する答弁で企業誘致・事業誘致に関する新たな支援策を講じていきたいという発言されました。その中で地元の雇用、地元経済への貢献を見て支援を行うか判断するということだが、判断するうえで具体的な数値を設定するのか。
【市長】考えていない。ケースバイケースだと思う。具体的に雇用では条件をさらに付け、地元からの新卒者、若年者の採用を重視したい。採用した若年者が定着できるような環境を維持してもらえるかを条件にしたいと思っている。それには、離職率がどのくらいあるか見ていかなければならない。
これまでの企業誘致に関して、製造業に対する支援制度を市と県で設けている。非製造業に対する支援策は製造業と比べると劣っている。産業全体を見回した場合、もう少しソフト関係の企業に目を向けたい。そのためには、光ファイバーの整備が欲しいところ。

【記者】先週、次期欧州素粒子物理戦略が公表されてILCに関する言及があったが、市長の評価は。
【市長】想定どおり。こちらが想定していた内容と変わらないもの。あれが本文の中に盛り込まれるか、外枠でコメントが出るのかが不安だったが、ああいう形になって良かった。アメリカからは早くやるように催促されている。欧州からも極めて前向きな結論を出してもらったので、後は日本の政府の決断あるのみと思っている。

                                                                                           以上

6月23日定例記者会見資料 [679KB pdfファイル]                                                                                         

 

 閉会 午前11時30分