国指定史跡「骨寺村荘園遺跡」~指定個所の特徴②~

前回に引き続き、国指定史跡「骨寺村荘園遺跡」の指定個所を紹介します。

不動窟(ふどうのいわや)② 

不動明王を祭ったとされる不動窟

慈恵塚西側の山の中腹にある岩屋で、詳細絵図にも描かれています。不動明王を祭ったとされる洞窟で、この地方での天台修験の活動を示す遺構の一つです。竹林に覆われた洞窟の奥行きは10メートルほどあります。

若神子社(わかみこしゃ)③

史跡のほとんどが丘陵地に位置するのに対し、唯一平野部に存在する茂みの中の史跡です。簡略絵図には「若神子神田二段」の記載があり、若神子社とのかかわりが想定されます。みこの守護神、もしくは吾勝尊・小碓尊を祭る社とされています。

要害館跡(ようがいだてあと)④ 

要害屋敷の裏山にある、戦国時代の簡単な造りの山城跡です。丘陵部の平坦面には、自然地形を生かした空堀や、土塁に柵を巡らすなどの土木工事の跡がうかがえます。荘園時代の終末を象徴する遺跡であるため、時代がさかのぼる荘園絵図には描かれていません。

遠西遺跡(とおにしいせき)⑤ 

要害館跡南西すその微高地にあります。発掘調査により、建物跡と12世紀から13世紀の土器類が発見されたことから、荘園時代の生活の跡と考えられます。

伝ミタケ堂跡(でんみたけどうあと)⑥ 

北側山並み西部の、山頂に近いわずかな平場部分がミタケ堂跡と伝えられています。簡略絵図には「金峯山」と記載されています。荘園の北の境であり、山岳信仰の聖地であったと考えられます。

      

問い合わせ先
本庁骨寺荘園室


(広報いちのせき平成20年5月15日号)