世界遺産を目指して 骨寺村荘園遺跡講座 その7
国指定史跡「骨寺村荘園遺跡」~指定個所の特徴②~
前回に引き続き、国指定史跡「骨寺村荘園遺跡」の指定個所を紹介します。
不動窟(ふどうのいわや)②
慈恵塚西側の山の中腹にある岩屋で、詳細絵図にも描かれています。不動明王を祭ったとされる洞窟で、この地方での天台修験の活動を示す遺構の一つです。竹林に覆われた洞窟の奥行きは10メートルほどあります。
若神子社(わかみこしゃ)③
史跡のほとんどが丘陵地に位置するのに対し、唯一平野部に存在する茂みの中の史跡です。簡略絵図には「若神子神田二段」の記載があり、若神子社とのかかわりが想定されます。みこの守護神、もしくは吾勝尊・小碓尊を祭る社とされています。
要害館跡(ようがいだてあと)④
要害屋敷の裏山にある、戦国時代の簡単な造りの山城跡です。丘陵部の平坦面には、自然地形を生かした空堀や、土塁に柵を巡らすなどの土木工事の跡がうかがえます。荘園時代の終末を象徴する遺跡であるため、時代がさかのぼる荘園絵図には描かれていません。
遠西遺跡(とおにしいせき)⑤
要害館跡南西すその微高地にあります。発掘調査により、建物跡と12世紀から13世紀の土器類が発見されたことから、荘園時代の生活の跡と考えられます。
伝ミタケ堂跡(でんみたけどうあと)⑥
北側山並み西部の、山頂に近いわずかな平場部分がミタケ堂跡と伝えられています。簡略絵図には「金峯山」と記載されています。荘園の北の境であり、山岳信仰の聖地であったと考えられます。
(広報いちのせき平成20年5月15日号)