望ましい教育環境づくりを目指して
教育委員会では、急激な少子化による学校の小規模化の進行と校舎などの耐震補強が急がれる現況を踏まえ、昨年11月6日、一関市立学校通学区域調整審議会から学校規模の適正化の基本的な考え方について答申を頂きました。これを受けて本年1月から2月、少子化の現状などについて地域やPTAの皆さんと共通理解を図り、今後の市立小中学校の望ましい教育環境づくりについて意見をいただくための懇談会を一関地域で3回、花泉・千厩・東山地域で各1回開催し、小中学校長、PTA役員、行政区長、自治会長など計130人と意見交換を行いました。
懇談会では、
- 複式学級など児童が少ない環境では子供たちがかわいそうに感じる。
- 学校の小規模化の現状は、これから学校に入る子供の父兄から意見を聞いた方が切実に感じると思う。
- 審議会の答申以上に少子化の進み方が早く、2、3年ごとに答申を見直す必要がある。
- 統合する場合、地域の学校をなくしたくないという気持ちもわかるが、子供たちのためになることを一番に考えたい。
- 学校統合は住民感情もあるので、住民の意見を何回も取り入れながら進めてほしい。
- PTAが集まり地域の行事に協力し合うという関係もあるので、統合により地域を大きくされたくない。
などの意見が出され、少子化などに伴う教育環境確保のための学校統合の必要性などについては、おおむね理解をいただいたものととらえています。
20年度の市立小・中学校の児童生徒数と学級数の状況は、下の表のとおりとなっています。19年度と比較すると、小学生は189人、中学生は116人の減少で、より一層小規模化が進んでいます。
教育委員会では、PTAなどの参加をいただきながら、小中学校のより良い教育環境づくりを目指した取り組みを急がなければならない現況にあるととらえており、今年度も共通理解を図るための懇談会の開催、そしてPTAを中心に複式学級の解消と学校の適正規模化や一関地域の学校統合の順番付けなどについて議論をしていただく場を設けていきたいと考えています。
平成20年度児童生徒数、学級数
小学校
地域 | 学校名 | 児童生徒数 | 学級数 | 地域 | 学校名 | 児童生徒数 | 学級数 |
一関 | 一関 | 682 | 23 | 大東 | 摺沢 | 167 | 7 |
山目 | 613 | 22 | 興田 | 176 | 7 | ||
赤荻 | 338 | 14 | 猿沢 | 82 | 6 | ||
中里 | 186 | 7 | 渋民 | 49 | 4 | ||
滝沢 | 159 | 9 | 曽慶 | 56 | 7 | ||
南 | 602 | 20 | 千厩 | 千厩 | 408 | 15 | |
弥栄 | 63 | 6 | 小梨 | 85 | 6 | ||
萩荘 | 438 | 15 | 清田 | 45 | 4 | ||
達古袋 | 30 | 4 | 奥玉 | 128 | 7 | ||
厳美 | 133 | 7 | 磐清水 | 36 | 4 | ||
本寺 | 46 | 5 | 東山 | 長坂 | 222 | 10 | |
舞川 | 129 | 8 | 田河津 | 63 | 5 | ||
花泉 | 永井 | 153 | 7 | 松川 | 123 | 7 | |
涌津 | 131 | 7 | 室根 | 折壁 | 108 | 7 | |
油島 | 63 | 6 | 浜横沢 | 43 | 5 | ||
花泉 | 185 | 9 | 上折壁 | 60 | 6 | ||
老松 | 43 | 4 | 釘子 | 39 | 4 | ||
日形 | 45 | 5 | 津谷川 | 29 | 3 | ||
金沢 | 130 | 7 | 川崎 | 薄衣 | 147 | 8 | |
大東 | 大原 | 197 | 7 | 門崎 | 94 | 7 | |
内野 | 24 | 3 | 計 | 6550 | 324 |
中学校
地域 | 学校名 | 児童生徒数 | 学級数 |
一関 | 一関 | 328 | 11 |
山目 | 521 | 17 | |
中里 | 90 | 3 | |
一関東 | 121 | 6 | |
桜町 | 351 | 11 | |
萩荘 | 193 | 6 | |
厳美 | 86 | 4 | |
本寺 | 15 | 2 | |
舞川 | 69 | 4 | |
花泉 | 393 | 14 | |
大東 | 大原 | 123 | 7 |
大東 | 156 | 7 | |
興田 | 109 | 4 | |
猿沢 | 68 | 4 | |
千厩 | 366 | 12 | |
東山 | 235 | 8 | |
室根 | 147 | 6 | |
川崎 | 141 | 6 | |
計 | 3512 | 132 |
市立学校通学区域調整審議会答申
一関市教育委員会にありましては、当市における児童生徒数の減少状況、義務教育施設の現況を踏まえ、速やかに、より良い教育環境の確保に向け各地域単位を基本としながら学校規模の適正化を図られたい。
なお、学校規模の適正化を進めるにあたっては以下の点に留意願いたい。
- 学校の適正規模化にあたっては、一関地域、大東地域、室根地域で取り組んできた統合計画を進めるとともに、その他の地域についても複式学級の解消を基本として取り組まれたい。
- 適正規模についてはお互いに競い合ったり、クラス替えが可能な1学年2学級以上が望ましいが、地域の地理的状況等を勘案しながら取り組まれたい。
- 児童生徒の通学には十分配慮されたい。
- 保護者・地域住民への啓発に努め理解と協力を得ながら合意形成を図り進められたい。
(広報いちのせき平成20年6月1日号)