川崎陶芸クラブ

自分と向き合いながらライフスタイルを探す

完成時の姿を思い浮かべながらろくろを回す会員

今や川崎文化祭の展示部門には欠かせない「川崎陶芸クラブ」(鈴木絹子代表、会員13人)の展示コーナー。会員の丹精込めた力作が、所狭しとテーブルに並べられます。作者の思いが込められた花器や一輪挿し、茶わん、ぐい飲みなどさまざまな作品が、訪れる人たちを楽しませてくれます。
同クラブの発足は30年前。公民館主催の陶芸教室で集った仲間が独立し、結成しました。現在は川崎町以外の会員も集い、30歳代から80歳まで幅広い年代が昼の部、夜の部に分かれて創作しています。
講師は、陶芸教室当初から指導を続ける藤沢町在中の陶芸家、北澤与志夫さん。「先生は自分の持っているすべてを隠さず生徒に教えてくれる。先生自身が楽しみながら陶芸をしているので、私たちも気負わず制作することができます」と千葉英利子さん=藤沢町=は話します。
年に4、5回行われる本焼き。作品は、この日まで素焼きにして貯めておきます。作品にうわぐすりを塗り、慎重に窯入れ。午前4時、窯に火をつけ、徐々に温度を上げ、温度計をにらみながら、夜遅くまで観察が続きます。
窯から取り出された作品は、考えられないような色となって現れ、自然の織り成す芸術に、毎回驚かされるそうです。「陶芸は奥が深く、やればやるほど難しい。難しさが分かると、ますます面白くなる」と千葉さん。「30年もの間活動が続いているのは、満足できる作品がなかなかできないからではないか」と熱い思いを語ります。
陶芸歴30年、会員最高齢の鈴木静江さん(80)は、「夢中になれる時間があることと、形が出来上がった瞬間がうれしい」と目を輝かせます。
「以前は、食器は何でもよいと思っていたが、自作の器で食べる今では、食事が楽しくなった」と語る鈴木絹子代表。陶芸は、作陶の時間だけでなく、会員のライフスタイルそのものを変えたようです。

活動メモ

■活動日時…第2・第4水曜 【昼の部】9:30~15:00 【夜の部】19:00~21:00
■活動場所…川崎公民館
■連絡先…鈴木 電話0191-43-2335

(広報いちのせき 平成21年1月1日号)