より良い教育環境を目指して
市内の小中学校は、急激な少子化による小規模化が進み、また、一部の施設では耐震補強が必要な状況となっています。
市教育委員会は、昨年度一関市立学校通学区域調整審議会からいただいた学校規模適正化の基本的な考え方に関する答申を受け、今年度、少子化の現状や学校規模の適正化の基本的な考え方などについて共通理解を図るための懇談会を一関、花泉、千厩、東山、川崎の各地域で合わせて15回開催しました。
出席者からは、少子化などに伴う教育環境確保のための学校統合の必要性などに一定の理解が示されるとともに、より多くの市民の共通理解を得る取り組みについて意見が出されました。その主なものと、学校規模適正化を考えた場合の小規模校などの長所、短所について紹介します。
教育委員会では、より良い教育環境の整備には何よりもPTAや地域の理解と協力が必要という認識の下、今後も話し合いを進めていくこととしています。
市立学校施設整備の状況(現時点での計画分を含む)
統合 | |
18年度 | 興田小(天狗田・興田・中川・京津畑・丑石) |
20年度 | 一関東中(弥栄・真滝) |
21年度 | 室根東小(折壁・浜横沢)、室根西小(上折壁・釘子・津谷川) |
22年度 | 大原小(大原・内野) |
25年度 | 摺沢小・渋民小・曽慶小 |
耐震補強 | |
19年度 | 一関小校舎 |
20年度 | 中里小校舎、本寺小屋内運動場、老松小屋内運動場、磐清水小屋内運動場、薄衣小校舎・屋内運動場、門崎小校舎、大原中校舎 |
21年度 | 涌津小校舎、奥玉小屋内運動場、大原中屋内運動場、室根中校舎 |
改築 | |
20年度 | 山目小屋内運動場、東山中屋 内運動場 |
22年度 | 萩荘中屋内運動場 |
23年度 | 川崎中校舎・屋内運動場 |
懇談会で出された主な意見
- 学習、部活、地域、文化の伝承など、すべてクリアするのは難しいので、子どもたちにとって何が大切かを判断し統合について考えたい。
- 地域の人は地域の学校がなくなるとなれば、統合に賛成と言えないかもしれないが、学校に行くのは子どもたちなので、その教育環境がどうあればいいかを重視したい。
- 小さい中学校もいい面もあるが、大きい学校だと部活動などで選択肢が増える。
- 統合が3年後、5年後となると、今の保護者は関係ないという形になるため、進める上でのスピードも求められる。
- 地域から歩いて通える学校というのも子供たちに必要な環境だと思う。
小規模校・複式学級の長所、短所
長所 | 短所 | |
全体的な傾向 | ●異なった学年との交流が図りやすい。 ●運動会などの学校行事で出場や発表の機会が多い。 ●教職員が全校の児童生徒の実態を把握することができる。 | ●多様な考えや価値観を持った児童生徒との出会いに恵まれにくいため、知的刺激が少ない。 ●互いに切磋琢磨し向上しようとする意欲やたくましさを育てる環境に欠ける。 ●部活動において多様な種類の部が開設できない。 ●運動会、学芸会などの学校行事において種目や演目が限定され、活気に欠けたり高学年に負担がかかる。 |
教職員 | ●教師間で指導方針などについて共通理解が得やすい。 | ●教職員の配置数が少ないため免許外教科を担当することが多く、専門的な指導を受ける機会が不足する。 |
学習活動 | ●一人一人に直接的な指導が行いやすい ●自分のペースで学習活動に取り組める。 | ●発想や着眼点が固定され、相互の考えを交流させ新たな発想を得るなどの発展的な学習が成立しにくい。 ●協同で勉強をしたり他の班の発表を聞いて比較する活動が少ない。 ●体育における団体競技種目、音楽における合唱や合奏活動が展開しにくい。 |
(広報いちのせき 平成21年2月15日号)
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