地域おこし事業実践者発表会
個々の事例を連携し情報発信を
市の平成20年度地域おこし事業実践者発表会は2月8日、川崎公民館で催されました。市が活力ある地域づくりを推進しようと18年度から行っている同事業の成果を披露し、実践者同士の仲間づくりや連携に発展させたいと行われた発表会に、同事業実践者や自治会関係者ら約80人が参加しました。
オープニングは、ゲイビマンプロジェクト委員会によるゲイビマンショー。白、青、赤など各色の衣装をまとった6人の“ご当地ヒーロー”が「環境や社会問題を子どもたちにわかりやすく解説し、地域を盛り上げふるさと一関を世界にPRしたい」と寸劇やダンスを熱演し、会場を盛り上げました。
観光産業と地域づくりの連携で経済活動に発展を
当市出身で㈱JTB東北交流文化事業部の阿部昌孝地域貢献推進部長が「これからの東北の観光戦略」の演題で基調講演。阿部部長は「最近の旅行は物見遊山型から現地の自然や文化、食などの体験型に変化している」と指摘。「住民が地域独自の魅力や資源に誇りを持ち、生き生きとしている地域はよそのお客を引き付ける。観光産業と地域づくりが連携することで魅力を発信し、地域おこしを経済活動につなげてほしい」と訴えました。
その後4人が事例を発表。一関もち文化研究会の東海林明弘さんは、▽もち食文化の聞き取りと再現▽小学校でのもち本膳体験▽もち本膳を体験するもち道場の開催―など3年間の活動を紹介。一関市少年少女発明クラブの千葉邦夫さんは、各種工作などの活動を紹介しながら「子どもの工夫する力を伸ばし、この地からノーベル賞受賞者を出すのが夢」と語りました。
協同組合千厩新町振興会の金野茂人さんは、JAJA馬ミュージックフェスティバル、鍋フェスタなどの事業を映像で紹介。一関商工会議所青年部東山支部の鈴木寿和さんは、岩手朝日テレビが行うふるさとCM大賞への応募作品を紹介しながら「多くの市民との出会いと協力で交流を深められた」と成果を述べました。
引き続き、事例発表を行った4人をパネリスト、いちのせき市民活動センターの小野仁志さんをコーディネーター、基調講演を行った阿部部長を助言者としてパネルディスカッションが行われました。
「組合にはさまざまなジャンルの人間がいるので、事業に観光の視点を入れたいと思う」(金野さん)など、人を呼び込む地域資源の魅力という観点から各パネリストが発言。阿部部長は「本日発表いただいた事例を連携させるだけでも大きな成果で、今日の目的が達成されるのでは。自分も旅行業の観点から応援していきたい」とまとめました。
20年度は一般と若者が主役の地域おこしの二つの事業に10月まで51件の応募があり、そのうち40件が採択されています。補助は事業費の3分の2以内。同一団体への助成は3カ年度を限度とし、事業は22年度まで行っていきます。21年度の募集は、3月中旬から行う予定です。
(広報いちのせき 平成21年3月1日号)