二校の良さ合わせ新たな伝統築こう~新・大原小学校が開校~
大東地域の大原、内野の両小学校が統合し誕生した新・大原小学校(木下邦男校長)の開校式は4月7日、同校屋内運動場で行われました。
2年生以上の児童と教職員、地域住民や関係者ら約300人が出席し、新たな学校生活の始まりを祝いました。
式典では、国歌斉唱に続いて鈴木功市教育委員長から木下校長に校旗が授与されました。
鈴木委員長は「恵まれた環境にある真新しい校舎で学習にスポーツに励み、たくましく成長してほしい」と式辞。木下校長は「統合前も交流を重ねていた両校なので、今日から机を並べて仲良くできると思う。児童の皆さん一人一人がこの学校の主人公です」とあいさつしました。
来賓祝辞の後、児童代表の小野寺里穂さん(6年)は「広い校舎で遊んでみたい。広い音楽室でたくさんの歌声を響かせてみたい。素晴らしい校舎を建ててくださってありがとうございました。二校の良さを合わせて、礼儀正しくみんなに優しく思いやりあふれる学校にします」と力強く述べました。
翌8日には新入生22人を迎えて入学式が行われ、全校生徒193人が、新しい学校での生活をスタートさせました。
新生大原地区統合小学校学校づくり推進委員会会長として地域の声をまとめてきた吉田昭二さんは「歴史や伝統を受け継いで、この恵まれた環境で力をつけ、たくましく育ってほしい」と児童らへの願いを語りました。
統合により遠距離通学となる内野地区の児童は、市営バスを利用して登下校。市教育委員会が発行した「通学乗車券」を乗降の際提示することで、乗車時の自己負担はありません。市営バスを利用する高齢者らとの交流も期待されます。同校の校章(右)は児童の案によるもの。
校歌は、旧内野小の始まりが旧大原小の分教場だったことや、県下で有数の歴史を誇る古い校歌を守りたいとの声があったことから、昭和6年に作曲された旧大原小校歌を引き続き校歌とすることになりました。
旧大東町は平成12年度、学校再編の方針を決定。
2校の統合は17年3月に合意され、地域住民による「新生大原地区統合小学校学校づくり推進委員会」が新しい学校のあり方を検討してきました。
エコスクール認定の校舎
新しい大原小学校は、旧大原小から約300メートル離れた大東町大原字七切地内(敷地面積約2万88平方メートル)に、総事業費約14億円の整備予定で、19年度から校舎、屋内運動場を順次整備しました。
校舎は鉄筋コンクリート造り2階建て、一部平屋建てで、延べ床面積は3481平方メートル。昇降口、廊下などに地元の杉間伐材が使われています。
玄関近くのホールとラウンジ、図書室には大原・内野両小の元学校林から切り出された丸太柱を配置。
地域の先輩たちが植えた木が生かされ、明るく、温かみに満ちた建物となっています。
雨水の花壇への活用、外灯に太陽光を活用するハイブリット型の照明を採用したことなどにより、エコスクールの認定を受けました。
屋内運動場は鉄筋コンクリート造り一部鉄骨造り平屋建て、延べ床面積1018平方メートル。
バレーボールコート2面が使用可能なアリーナのほか、ステージ、地域開放のための施設などを備えています。
同校は本年度内にFRP屋根付きのプール、クレイ舗装をしたグラウンド整備と外構工事を進め、建設事業を完了する予定です。
校章
三角形は強い形の表れ、「地域」「学校」「家庭」で盛り上げを表現。
「葉っぱ」は「木」であり、ひいては森に見え、児童が大きく育っていくことを表現。
中の丸は「和」を表し地域が一つになるという意味をもつ。
作:加賀俊樹さん(大原中2年)
補作:及川健夫さん
130年余の校史に幕
明治6年の開校以来、長い歴史を刻んだ大原、内野両小の閉校行事が行われました
大原小学校
閉校式は3月20日、生徒や父母、地域の皆さんらが出席し、同小屋内運動場で行われました。
191人の児童全員が「大好きな大原小の学校生活は、満足感でいっぱい。これからは内野小のみんなとともに新生大原小として、友情をはぐくみたい」とお別れの言葉を述べました。
最後に全員が思いを込めて校歌を斉唱し、懐かしい学びやに別れを告げました。
同小の歴史は明治6年、大原本郷小学校と新山小学校の開校にさかのぼり、昭和38年に大原字台の鉄筋コンクリート3階建て校舎に移転しました。
内野小学校
3月21日、同小屋内運動場で行われた閉校式には、生徒や父母、地域の皆さんら約200人が出席。
全校児童24人は宮沢賢治の詩、「雨ニモマケズ」と四季の内野の自然を表現しながら「いつも優しく包んでくれたふるさと。内野の里に守られながら歴史を今閉じます。ありがとう内野小学校」と述べ、思い出の母校に別れを告げました。
同小は明治6年、新山小学校付属分教場として設置され、昭和22年から内野小学校に。
伊勢神楽や一輪車、鉄作りなどの活動にも取り組んできました。
(広報いちのせき 平成22年5月1日号)