藤原麻起子さん(千厩出身)に市民栄誉賞
女子ソフトボール日本代表
世界女子ソフトボール世界選手権準優勝に貢献
(写真提供 ㈱日立ソフトウェア事業部 日立ソフトウェア女子ソフトボール部)
(写真提供 ㈱日立ソフトウェア事業部 日立ソフトウェア女子ソフトボール部)
世界選手権での活躍 夢と勇気
本市では、文化、芸術、学術、スポーツなどの分野で輝かしい功績をおさめ、市民に希望と活力を与えた人などに市民栄誉賞を贈ることにしました。
日本女子ソフトボールチームの投手として「第12回世界女子ソフトボール選手権大会」で同チームの準優勝に貢献し、市民に夢と勇気を与えてくれた千厩町出身で日立ソフトウェアに所属している藤原麻起子さん(26)を第1号の受賞者として表彰しました。
藤原さんは、千厩町千厩の生まれで26歳。
小学生からソフトボールを始め、千厩中、埼玉県の星野高、宮城県の東北福祉大に進学し、現在、株式会社日立製作所情報・通信システム社ソフトウェア事業部に勤務。
実業団の日立ソフトウェアのソフトボール部に所属しています。
千厩中では、全国中学校総合体育大会で優勝、星野高では、高校選抜大会準優勝や国体優勝、東北福祉大ではインカレ優勝、実業団では国体優勝、また国際大会にも出場しています。
特にも本年6月23日から7月2日までベネズエラで開催された「第12回世界女子ソフトボール選手権大会」に日本チームの投手として出場し、同チームの準優勝に貢献しました。
市民栄誉賞の表彰式は8月9日、千厩町のパレススズキ・マリアージュで催されました。
地元や市ソフトボール協会などの関係者約150人が見守る中、勝部市長は「藤原さんのようになりたいという子供たちをはじめ、多くの市民に夢と勇気を与えてくれた」と述べ、クリスタルガラス製のトロフィーを手渡しました。
藤原さんは「技術的にも人間的にもまだまだ未熟ですが、このような賞をいただけるのは、地域の皆さんや多くの方々のご支援、ご声援があったものと感謝しています。この感謝の気持ちを持ち続け、会社でも日本代表としても頑張っていきたい」と活躍を誓っていました。
藤原麻起子さんの経歴
▽出身地 一関市千厩町千厩
▽年 齢 26歳
▽出身校
千厩中学校
星野高校(埼玉県)東北福祉大学(宮城県)
主な国内大会での成績
中学校
平成10年度 全中大会優勝
高校
平成11年度 高校選抜大会準優勝
平成12年度 インターハイ第3位
平成13年度 インターハイ準優勝、国体優勝
大学
平成17年度 インカレ優勝
実業団
平成19年度・20年度 国体優勝
主な国際大会の出場歴
平成18年度 大学世界選手権大会第3位
平成19年度 世界選手権アジア予選優勝平成22年度 6月23日~7月2日 世界女子ソフトボール選手権大会準優勝
7月22日~26日 第5回USAワールドカップ準優勝
世界女子 ソフトボール選手権大会出場報告トークショー
岩手から全国へ、世界へ できないとあきらめず 今できることを全力で 昭和53年生まれ。千厩町出身。日本女子体育大学卒。靜甲株式会社(実業団)を経て、現在、一関一高ソフトボール部監督として、指導に 情熱を燃やす。
表彰式の後には、世界大会出場報告トークショーも催され、藤原麻起子さんから世界大会の様子やソフトボールをしている子供たちへの熱いメッセージが送られました。
世界選手権の様子
千葉 私は、藤原選手のお姉さんの一歳下の後輩で、中学のソフトボール部でお世話になりました。そのころから妹の麻起子さんを知っていて、それ以来お付き合いをしています。
では、まず世界選手権の感想などを。
藤原 世界選手権では、アルゼンチン戦で先発し、初めて世界選手権のマウンドに立つことができました。緊張した中でも、世界の舞台に触れたこと、そして第1試合に先発させていただいたことを誇りに思います。オランダ戦で先発完投させていただいて、役割を果たし、チームを勝たせることができました。
そしてアメリカとの決勝戦で先発。
3回までノーヒットで抑えることができましたが4回につかまってしまって、アメリカ打線を抑えることができなかったので、悔しい思いをしました。
千葉 開催地は南米のベネズエラでしたが、どうでしたか?
藤原 ベネズエラは、治安が特に悪いといわれている国です。
ホテルの部屋に缶詰めという感じでロビーに一人で出ることも許されなかったので、部屋にいても緊張感を持った状態で生活しました。
バスで移動する時も軍隊のバイクが4台ついて移動するような状態でした。
千葉 予選リーグは全勝で、決勝で強敵アメリカに敗れてしまったわけですが、日本とアメリカの一番の違いは何でしょうか?
藤原 アメリカ人は体格やパワーが違うというのはあるんですけど、持っているプライドというものが世界で一番なのかなと感じます。
千葉 日本が世界で戦うために重要なことは何だと思いますか?
藤原 やっぱり心身ともにタフさが大事だと思います。国際大会では、毎日試合があります。最後の決勝戦に一番ベストな状態を持って行ける心と体を持っていることが大事だと思います。
実業団で日本一に
千葉 9月から日本リーグの後半戦が始まります。
また、11月にアジア大会がありますが、それに向けての目標は?
藤原 今、私が所属するチームは12チーム中4位です。
4位以上で決勝トーナメントに進めるので、まずは4強入りして決勝トーナメントに勝ち残ること。
日本一になるためにあと1カ月、今やれることを全力でやっていきたいと思います。
その結果でアジア大会のメンバーが発表されることになるので、チームのためにやることが全日本に選ばれることにつながっていくと思っています。
アジア大会に上野由岐子投手が復帰されますけど、上野さんと競い合いながら投げられるようにやっていきたいと思います。
夢をもって取り組んで
千葉 千厩小、千厩中、星野高と進んだわけですが、ソフトボールを始めた動機というのは?お姉さんの影響が大きいと思いますが。
藤原 6歳も離れた姉に対して負けず嫌いというのが小さい時からありまして、姉が始めたピアノ、習字、ソフトボール、全部をまねしました。
姉がソフトボールを始めて両親と一緒にソフトボールの応援に行き始めて、自然な形で小学校4年生からソフトボールをやろうと思っていました。
千葉 最後に、ソフトボールを行っている子供たちにメッセージをお願いします。
藤原 私が小学生の時は、清田小が強くて町内大会で負けていて、県大会にも出たことがありませんでした。
中学に入って指導者に恵まれ、全国大会で優勝しました。
仲間がいたからこそ今があります。
ほかの人から見たら華やかな道を歩んできたと思われがちなんですが、才能があったわけではなく、いろいろ遠まわりもしました。
目標があれば何でも達成できると思います。
中学時代も全国制覇するとみんなで言って、それを貫き通せたことが私の原点です。
今日やるべきことを明日にのばすなということを小学生の時から父に言われているのですが、できないとあきらめずに今できることを全力でやる。
夢を持ってやってほしいなと思います。
千葉 ありがとうございます。
子供たちに、その夢を持たせるように岩手から全国へ、世界へという目標を持ち、私も頑張ります。
お互いに頑張りましょう。
ありがとうございました。
日本チームと藤原投手の世界選手権大会の戦績
【決勝トーナメント 1位・2位戦】
(投)染谷
ベネズエラ 0 0 0 0 0 0 0 0 日本 0 0 0 2 0 0 × 2
【決勝トーナメント 1位・2位勝者戦】
(投)山根―瀬川
日本 0 0 0 0 0 0 0 0 アメリカ 3 0 0 0 1 0 × 4
【決勝トーナメント ブロンズメダルゲーム】
(投)染谷―岡村
日本 0 3 1 1 1 1 5 12 カナダ 0 0 0 1 0 1 1 3
【決勝トーナメント ゴールドメダルゲーム】
(投)藤原投手―山根―染谷
アメリカ 0 0 0 5 2 7 日本 0 0 0 0 0 0
【予選リーグ】
日本2-1カナダ
日本5-0台湾
日本4-0オランダ 藤原投手完封
日本7-0イギリス
日本10-0南アフリカ
日本13-1アルゼンチン 藤原投手先発1回
日本1-0キューバ
7戦全勝で決勝トーナメント進出
日本リーグで優勝を
藤原直志さん(藤原麻起子さんの父)
このような栄誉賞をいただくことができ、感謝しています。
これも皆さんのおかげ。コツコツやってきた成果だと思います。
私の夢は、麻起子が日本リーグで優勝すること。
上野由岐子投手に投げ勝って、ぜひ実現してほしいと思っています。(広報いちのせき 平成22年9月1日号)
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