博物館だよりvol.38
骨寺村在家日記
「在家」とは、年貢や公事(雑税)を賦課された農民、土地、屋敷のことをいいます。
『骨寺村在家日記』は、中尊寺に伝わる古文書の中の一つで、南北朝時代終わり頃の骨寺村(厳美町本寺地区)の生産物を知ることができる史料です。
『骨寺村在家日記』には、在家と、半在家、名前がつけられた田からの貢納品について記されています。
名前がつけられた田のうち、「わつ田」「いゝおか」「梅木田」「かはた」は地名と考えられ、現在でも本寺地区の地名として残っています。
また、「れい田」「山王田」「うなね田」「六所田」「こまか田」「若みこ」については、骨寺村に祭られている社に供える米を生産している田(神田)と考えられており、これらの神田は中世の骨寺村を描いた『陸奥国骨寺村絵図』にも見ることができます。
貢納品の内容を見ると、年貢は銭で納めていたことが分かります。
また、稲作による「米」や、山野からの収穫物である「立木」や「うるし」、農民たちによる生産物である「むしろ」「こも」など、様々な品物を納めていたことが読み取れます。
5月28日より、骨寺村絵図に描かれた内容について図や写真を混じえて解説する展覧会「中世荘園からの招待状 ―図解 骨寺村―」を開催しておりますので、皆さんのご来館をお待ちしています。
一関市博物館案内
テーマ展1
中世荘園からの招待状‐図解 骨寺村‐
■会期…5月28日(土曜日)~7月10日(日曜日)
【関連行事】骨寺村荘園遺跡ツアー
■日時…6月5日(日曜日)13時~16時※参加無料
■定員…30人
【関連行事】講演会「骨寺村と中尊寺」
■日時…7月3日(日曜日)13時30分~15時※参加無料
■定員…100人
■講師…当館館長
和算講座初心者コース
楽しむ和算(全7回)
■初回…6月11日(土曜日)13時30分~15時
■参加料…300円
■定員…36人
美術についてのおしゃべりの会テーマ「洋画」
■日時…6月19日(日曜日)13時30分~15時30分※参加無料
■定員…10人
はくぶつかんこどもくらぶ
カメラの元祖ドンクルカァムルをつくろう
■日時…6月25日(土曜日)13時30分~16時
■定員…親子25人
■参加料…400円
大人の調べ学習
路傍の石碑(全6回)
■日時…(1)6月26日(日曜日)13時30分~15時30分(2)7月16日(土)10時~15時30分
■内容…(1)オリエンテーション・講演「いわいの石碑」(2)石碑の調査法・拓本用具作りと拓本作成
■定員…20人
■参加料…(2)のみ300円
(広報いちのせき 平成23年6月1日号)