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震災から1年、復興の願い込め公演
「平成23年度千厩地域市民劇場第9回どっから座公演『新・キツネにだまされた男の話-ギャーンGYA~N)』」(同実行委員会主催)は3月11日、千厩町の千厩農村環境改善センターで上演され、ほのぼのとした舞台に市内外から訪れた観客は楽しい一時を過ごした。
同劇場は昨年、公演(3月13日)直前に発生した東日本大震災で中止になった。
復興への願いを込めて2年越しで開かれた今回の公演には、沿岸被災地の人たちを無料で招待した。
同町の昔話を題材にした創作劇は、祖父母らが孫たちに昔話を語り聞かせる場面からスタート。
キツネにだまされた男たちの話を聞いた孫たちが、人間と野生動物の関わりの大切さや自然への畏敬の念を再認識していく展開で、近年、叫ばれている人と自然との共生を訴えた秀逸な作品。
劇には、同町の舞踊団体「三藤会」や千厩子羊幼稚園の園児たちも出演し、ステージに花を添えた。
同町磐清水の菊地陽子さん(82)は「声高々と演技している姿がとても印象的だった」と満足そう。
菅原正憲座長は「震災から1年。特別な日にもかかわらず、多くの人が来てくれた」と詰めかけた演劇ファンに感謝する。
来年は、いよいよ劇団開設当初からの目標だった10回目。
「節目を迎えるにふさわしい素晴らしい舞台を作りたい」と菅原座長は、早くも次の舞台を見据える。
千厩地域市民劇場「どっから座」菅原正憲座長
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1)第1場、孫たちに昔話を聞かせるシーン 2)キツネにだまされたと知って驚く村人 3)里に出てきたキツネが人をだますと、村の女性たちの間で話題になる 4)物語の終盤、人間に化けたキツネが通りすがりの村人に話しかける 5)カーテンコールでは客席から盛んな拍手が贈られた 6)会場の千厩農村環境改善センター |
広報いちのせき「I-style」4月1日号