農林産物の放射性物質濃度測定 ワラビ(野生)が出荷制限に

市内農産物の測定結果

県が「県産農林水産物の放射性物質濃度の検査計画」に基づき5月に実施した本市産の農産物の放射性セシウムは全て不検出でした<表1> 。

市民の依頼で市が5月に測定した農林産物は38品目436検体です。食品衛生法上の基準値(一般食品100ベクレル/キログラム)を超えたものは5品目31検体でした。
検出されたものの基準値を下回っているものが37品目295検体、その他の110検体は全て不検出でした。<表2>。

基準値を上回った5品目は、出荷販売が制限されている山菜4品目とコシアブラです。基準値を超過した山菜は主に自家消費用で産直などで流通はしていません。

表1 一関市産農産物の放射性物質濃度測定の結果一覧(5月分)

品名 測定結果 検出下限値(ベクレル
/キログラム
トマト(ハウス) 不検出 17未満
ナス(ハウス) 不検出 18未満
ピーマン(ハウス) 不検出 12未満

  • 測定機関:岩手県農業研究センター 
  • 測定機器:ゲルマニウム半導体検出器

表2 放射性セシウム134と137の合計値の検査区分ごとの検体数(5月分)

種別 基準値(100 ベクレ
ル/キログラム)以
下の検体数。( )
内は「不検出」
(※注1)検体数
基準値(100
ベクレル/キ
ログラム)超
過の検体数
野菜類 ネギ 8(5) 0
クレソン 7(2) 0
アスパラガス 6(4) 0
ホウレンソウ 6(5) 0
ニラ 5(3) 0
山菜類 タケノコ 103(2) 9
ワラビ 75(25) 7
フキ 66(27) 0
タラノメ 30(4) 7
シドケ 19(5) 0
コゴミ 12(0) 0
ヨモギ 12(7) 0
ウド 9(4) 0
ゼンマイ 3(0) 3
葉ワサビ 6(1) 0
ミズ 6(2) 0
コシアブラ 0(0) 5
ウルイ 5(1) 0

  • 測定検体数が5以上の品目の一覧
  • 基準値(一般食品100ベクレル/キログラム)以下に基づき区分。
    ※注1…「不検出」は検出下限値未満を示す。2012年10月から検出下限値を下げて放射性セシウムの合計で25ベクレル/キログラム以下になるよう測定
  • 測定場所 南部農業技術開発センター(花泉町金沢)、北部農業技術開発センター(大東町摺沢)
  • 測定機器 トライアスラーベクレルファインダー(シンチレーション放射線各種測定器による簡易測定)

 

ワラビ(野生)も出荷制限に

市の簡易測定で基準値の2分の1を超える放射性セシウムが検出された販売用の「ワラビ」について、市から県に精密測定の依頼をしました。

県の精密測定の結果、放射性セシウム合計120ベクレル/キログラムとなり、基準値を超えました。
これに伴い5月16日、県は一関市産のワラビ(野生)について出荷自粛を要請しました。翌17日には国から出荷制限が指示されました。

出荷制限などの対象となっている山菜類

【国による出荷制限指示品目】:ゼンマイ、セリ(野生)、タケノコ、ワラビ(野生)
【県による出荷自粛要請品目】:タラノメ(野生)、ミズ(野生)

右記の山菜6品目は、出荷制限などが継続中です。当該品目の販売、流通目的の採取の自粛をお願いします。

お問い合わせ

本庁農政課 電話:21-8427

国際リニアコライダー 商工会員などが理解を深める

新一関商工会議所合併記念会員交流大会 宇部貞宏会頭

 

一関商工会議所(宇部貞宏会頭)が主催する「新一関商工会議所合併記念会員交流大会」は6月3日、ベリーノホテル一関で開かれ、「国際リニアコライダー」(ICL)について語った勝部修市長の講演に、約200人の出席者が理解を深めました。

今年4月1日に藤沢町商工会と合併した同会議所の宇部会頭は、合併から2カ月が経過したことに触れ、「新しい地域づくり、これからの商工会づくりはILC抜きには語れず、勝部市長に講演をお願いした」とあいさつしました。

勝部市長は「世界から信頼(尊敬)される地域<中東北>を目指して」と題して講演し、「北上高地への誘致実現に向けた取り組みの現状と教育、文化、産業、地域という視点でICLの意義・価値をみんなで共通認識しなければいけない」と語りました。

このうち教育面では、次世代を担う科学技術の発展と人材の育成をアピール。文化面では、各国との多様な文化交流や世界へ向けた一関文化の発信を強調。
産業面では、誘致による経済波及効果などについて述べました。

24年度から市内外で行ってきた勝部市長のILC講演はこの日の講演が101回目。資料や内容は毎月更新されており、加速器の説明はもとより、ILCと地域との関わりやまちづくりにまで触れた内容になっています。

ILCの国内建設候補地には、北上高地のほかに九州・脊振(せふり)山地も挙がっており、誘致合戦は、ヒートアップしています。

勝部市長は「遅くても8月下旬には(建設候補地が)一本化するだろう。地盤や地質面から見て北上高地しかないと思っている」と力を込め、「みんなで力を合わせ、実現に向けて取り組みましょう」と呼びかけました。 

 

広報いちのせき「I-Style」 平成25年6月15日号