一関の四季彩
配志和神社の式年大祭 時代を越えて受け継がれる由緒ある晩秋の神事
ひんやりとした空気。霞がかった境内の巨木たち。
その間を走る石畳の階段を白装束の氏子たちが、みこしを担いで練り歩く。
小雨の中、ぼんやりと浮び上がるその様子は、まるで古い掛け軸から飛び出してきたよう。
山目の配志和(はいしわ)神社創健1900年を記念する式年大祭は、10月19日から3日間行われた。
大祭では、行装大行列「御巡幸(ごじゅんこう)」のほか、特殊神事や日本神話の天孫降臨を再現する神事などが行われ、地域の繁栄を祈った。
配志和神社は、1900年前に日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国征伐した際に、悪徒退散を祈願したのが始まりといわれる。
式年大祭は、江戸中期から続けられてきた由緒ある行事。
このうち、特殊神事は全国でもまれで、今日では同社だけが原形をとどめる貴重な行事だ。
「御巡幸」後には、供奉(ぐぶ)した稚児の健やかな成長と無事奉仕の感謝を祈願する「御陰(おかげ)参り」が行われ、社殿の左右にそびえ立つ樹齢千年を超える夫婦杉が、祭りの最後を見守った。
広報いちのせき「I-Style」 平成25年11月15日号
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