施設だより
博物館だより 展示品紹介
「筑前犂」(ちくぜんすき)
一関の水田を変えた1本です。市内の佐藤家が大正年間に作製し、田打(たんぶ)ちに活躍しました。
近代、湿田(しつでん)で手掘り耕起を行なってきた東北地方に、九州から馬耕教師(ばこうきょうし)と呼ばれる人々がやって来て犂を伝えました。
以後、稲作は乾田犂耕(かんでんりこう)へと生まれ変わり、農村景観も大きく変化してゆきました。
岩手には福岡県から犂耕が入ってきますが、佐藤家の「筑前犂」は、筑前福岡の抱かかえもつたてすき持立犂を忠実に再現したもので、一関地方にも福岡系の馬耕教師による犂耕が伝来したことを証明するものです。
そのため、この地方では犂のことをバコウ(馬耕)と呼ぶようになりました。
現在、福岡でもこの型の犂を目にすることはなかなかありません。
貴重な「筑前犂」は、12月7日から23日まで開催の「一関の重要文化的景観展―本寺の農村景観―」で展示します。
図書館だより 12月は川崎図書館
豪雨の災害情報学 牛山素行 著
1999年以降に発生した豪雨災害を例に、防災対策の課題と災害情報活用を説いた一冊。
2002年の台風6号による東山町、川崎村の被害について考察しています。
伊藤勇雄の生涯夢なくして何の人生ぞ 大久保好唯 著
郷土薄衣で医療の平等化に尽力し、県下一の高冷地外山を開拓、南米パラグアイへ移住など、理想郷を追い続けた伊藤勇雄の生涯を知ることができます。
えっちらおっちら日本だじゃれ旅 中川ひろたか 文・高畠純 絵
えっちらとおっちらのコンビが、北海道から沖縄まで47都道府県だじゃれの旅に出かけます。
読み進めるうちに、いつの間にか地理に詳しくなっているかも。
広報いちのせき「I-Style」 平成25年12月15日号