行政改革大綱・集中改革プランのあらまし
全文は、本庁財政課・各支所総務課に備え付けるほか、市ホームページにも掲載しています。
基本方針
行財政改革は、次の7つの基本方針に基づき推進します。
(1)市民本位の行政運営の推進
各種施策の計画段階から市民の意見を施策へ反映させるなど、 市民の立場に立った市民本位の公共サービス提供の充実に努めます。
(2)健全な財政運営の確保
経費全般についての徹底的な見直しによる歳出の削減、税および税外収入の収納率向上など、歳出の抑制と歳入の確保により、健全な行財政運営の基盤を確立します。
(3)協働によるまちづくりの推進
適切な役割分担のもと、市民、NPO、企業等とさまざまな分野での協働を推進し、効果的な公共サービスの提供を図ります。
(4)民間活力の積極的導入
サービス水準の向上、経済性、専門性の活用などが図られる場合、施設管理、事務事業の実施などについて、積極的に民間委託などを推進します。
(5)成果重視による施策の推進
政策評価システムの構築により、施策や事務事業の効果、効率性などを客観的に評価し、事務事業の適切な選択と実施手法の改善について取り組み、限られた経営資源(人材・モノ・資金・情報)を有効に活用した効率的な公共サービスの提供を図ります。
(6)事務事業の重点化
厳しい財政状況にあることから、市民ニーズの動向などによる事務事業の選択を行うなど、重点化を図ります。
(7)人材育成の推進
職員の意識改革を図り、既存の枠組みや従来の発想にとらわれない柔軟な姿勢で、質の高い公共サービスの提供を推進する職員の育成に努めます。
改革の期間
行政改革大綱・集中改革プランとも、18年度から22年度までの5カ年を改革の期間としています。
改革の推進体制
(1)行財政改革推進審議会
知識経験者など民間委員15人で構成し、行財政改革実施内容 について評価、検証を行い、改革実施内容の見直すべき事項などを市長に提言します。
(2)行財政改革推進本部
助役を本部長として部長などで構成し、全庁体制で行財政改革を推進します。
また、市民の理解と協力の下に改革を推進するため、改革の取り組みや進ちょく状況を市広報やホームページで公表します。
改革の実施事項
大綱では8つの改革項目を定め、集中改革プランではこれに基いて134の実施項目により具体的に進めることとしています。
(1)事務事業の見直し(集中改革プラン・65項目)
①事務事業の整理合理化
すべての事務事業について、「必要性」「効果性」「効率性」「公平性」の各観点から不断の見直しを行い、整理合理化を行います。
②補助金等の整理合理化
補助金・負担金について、その目的や、費用対効果、経費負担等のあり方などについて検証し、整理合理化を行います。
③民間委託等の推進
市が行っている事務事業で、民間の専門性や効率性が発揮され、市民サービスの向上、経費の縮減、行政運営の効率化が図られるものについては、民間委託を推進します。なお、既に民間委託を行っているものについても、より効果的、効率的に推進できるようその業務の見直しを行います。
また、委託の実施にあたっては、個人情報の保護や守秘義務の確保に十分留意し、行政としての責任を果たし得るよう、適切に管理指導を行います。④公の施設等の見直し
ア 施設管理運営の見直し
公の施設等については、それぞれの施設ごとに、必要性、あり方について検討するとともに、施設の整理統合や、効果的・効率的な施設の管理運営に努めます。また、新たな公の施設等の整備にあたっては、その計画段階から市民意見の把握に努めます。
イ 指定管理者制度の導入
市民サービスの向上と経費の縮減を図るため、施設の管理運営に指定管理者制度を積極的に活用します。
⑤協働の推進
住民自治の確立には、市民の市政への参画が不可欠であることから、市民への行政情報の適時・的確な提供と、市民意識の把握に努め、市民と行政の相互理解を図るとともに、市民の市政への参画を推進します。
また、地域課題や市民ニーズに対応するための活動やサービスの提供等について、行政と市民がそれぞれの適切な役割分担のもと、協働によるまちづくりを進めます。⑥第三セクターの見直し
第三セクターについては、その事業内容、経営状況について検証し、定期的な指導監督を実施します。経営改善が必要なものについては、事業内容や組織のあり方について見直しを行います。
(2)組織編成の見直し(同・4項目)
市の行政組織については、多様化する市民ニーズや新たな行政課題に的確かつ迅速に対応できるよう見直しを行います。
(3)定員管理および職員給与の見直し(同・8項目)
①定員管理の見直し
行政運営の効率化、民間委託等の推進により、計画的に職員数の削減を進めます。
②職員給与の見直し
給与は、社会経済情勢や近隣自治体における給与水準等の動向を常に注視しながら、見直しを行います。
(4)職員の意識改革等人材の育成(同・2項目)
「人材育成基本方針」に基づき、職員の意識改革を図り、社会経済情勢に柔軟かつ的確に対応し、地域の特色を生かした魅力あるまちづくりを推進する人材を育成します。
(5)窓口等市民サービスの向上(同・5項目)
窓口などにおける対応改善に努めるとともに、効率的な業務体制の構築など、市民の立場に立った行政サービスの向上を図ります。
(6)電子自治体の推進(同・6項目)
行政手続きのオンライン化、事務の電算化による業務改革を推進し、事務処理の簡素化・効率化や行政サービスの向上に取り組みます。
(7)公正の確保と透明性の向上(同・4項目)
個人情報の保護を確保しながら、行政手続法や情報公開制度の適切な運用により、公正の確保と透明性の向上に努めます。
また、行政情報を広報やホームページでわかりやすく公表するなど、市民への説明と情報提供に積極的に取り組みます。
(8)経費の節減合理化と税収等の確保(同・40項目)
事務事業の経費全般について、徹底した見直しを行うとともに、税および税外収入について、課税客体の的確な把握と収納率の向上に努めます。また、使用料・手数料の受益者負担について、適正な水準を確保するとともに、遊休財産の売り払いなど、歳入の確保に努めます。
改革の効果
集中改革プランの実施により、5年間で
- 職員数の183人削減
- 事務事業見直し、定員管理および職員給与の見直し、経費の節減合理化と税収などの確保等により72億3千万円の経費削減
を見込んでいます。(表1、2)
表1 職員数の推移 (単位:人)
18年度 | 19年度 | 20年度 | 21年度 | 22年度 | |
総職員数 | 1532 | 1507 | 1471 | 1437 | 1393 |
合併時(1576人)との比較 | △44 | △69 | △105 | △139 | △183 |
表2 行財政改革の効果額(単位:百万円)
18年度 | 19年度 | 20年度 | 21年度 | 22年度 | 5カ年計 |
6億53 | 10億94 | 15億03 | 17億96 | 21億84 | 72億30 |
財政見通し
改革による効果額、72億3千万円を見込んだ18年度から22年度までの財政見通し(一般会計べース)は、表3のとおりです。
集中改革プランの実施後にあっても、歳出総額が歳入総額を上回る財源不足となっており、財政状況は極めて厳しい状況です。
財源不足を補うため、自治振興基金の借り入れおよび財政調整基金などの取り崩しにより対応しますが、安定した行政運営を維持確保していくためには財政の健全化が不可欠です。
このため、集中改革プランに未計上の項目についても毎年度見直しを行い、一層の改革を推進します。
表3 財政見通し(単位:百万円)
18年度 | 19年度 | 20年度 | 21年度 | 22年度 | 5カ年計 | |
歳入総額 | 509億35 | 527億70 | 508億18 | 508億77 | 484億07 | 2538億07 |
歳出総額 | 526億96 | 532億89 | 515億66 | 518億47 | 490億01 | 2583億99 |
財源過不足額 | △17億61 | △5億19 | △7億48 | △9億70 | △5億94 | △45億92 |
財政調整基金などの残高 | 65億93 | 62億35 | 56億52 | 48億50 | 44億34 | - |
(広報いちのせき 平成19年1月15日号)