令和6年5月7日一関市長定例記者会見概要
開始時刻 午前11時00分
○市長発表事項
なし
○その他
【記者】
2点伺う。4月に人口戦略会議が地方都市の消滅可能性自治体などを公表したが、一関市は自然減対策と社会減対策が極めて必要と分類された。これに対する受け止めを聞きたい。
それから、明日で新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置づけられてから1年になる。1年間についての受け止めとワクチン接種が今後も続くので、どのようなタイミングで市民に周知していくのか聞きたい。
【市長】
初めに、新型コロナウイルス感染症については、コロナウイルスが無くなった訳ではないが、ほぼアフターコロナといった感じになっている。いろいろな行動制限が無くなり、感染法上の位置づけも変わった。粛々とこれから先いろいろな日常行動がコロナ禍前に戻っていくことを想定し、市として事業の組立てを行っていくことになる。
ワクチンに関しては、他の予防接種と同様の扱いになり、自己負担も発生する。我々としては自己負担額の設定がどうなるのかといったところが大きいと思っている。
もし金額設定をするとなれば、それなりの準備が欲しいし、正確な情報をもとに判断することになる。夏には間に合わないので、おそらく秋や冬になる。そうなると、インフルエンザの予防接種と時期が重なる。両方接種となれば、自己負担が両方となる。その場合、特に高齢者の方たちが、両方自己負担となった時に経済的な負担をどうしていくかといったところが気になっている。
次に、消滅可能性自治体について、リポートの中には若年女性人口の減少率に着目・分析した結果があった。
報道各社は、分析の内訳と対策みたいなものがセットで報じていて、一通り拝見した。受け止めとしては、我々が分析したとおりの結果になった。要因・背景の内訳を分析したが、そのとおりだった。対策の部分についても、間違ってはいなかったと受け止めをした。
私が就任して、2年半になる。就任時には、一関市の最大の課題は人口減少だと明言をした。そのための対応策として、女性活躍や若者活躍を打ち出した。さらに今は外国人支援も含めて話をしている。要因分析やこれまでの歴史も含めて大体当たっていた。
その対応策については、受け止められる方によって論評が違ってくると思うが、全国紙、地方紙、有識者のコメントを見ると、私どもがこの2年半行ったことは間違いなかったと思った。
肝心なのは、我々が人口減少の要因・背景を分析し、当たったということではなく、結果がすべて。やってきたことは間違いではないが、何か他にもっとないのかなと探っていくことが必要と思っている。
【記者】
現在、設置している新型コロナ支援・物価対策支援本部はいつまで設置することになるのか。
【市長】
新型コロナワクチン接種は今後も続くので、接種体制維持が大事。物価高騰対策についても様々な交付金を活用し、生活支援、経営支援の両面で行っている。
いつまでというのは難しいが、今年度は継続する。
【記者】
人口減について、公表された内容に対し、全国の自治体がいろいろな受け止めをしているが、全国町村会では、地域の取組や努力に水を差すという批判的なコメントを発表している。国がもっと対策を講じるべきだと発信をしている。
市長としては、国に対し人口減対策への支援、取組を求めていきたいと思っているのか。
【市長】
一関市としては、人口減少をできるだけ緩やかにし、できるだけダメージを少なくしたいと考えている。一方、人口減少というのは日本として大きな課題であるが、それに対してどのようにしていったらいいのかに対する答えは、若干違うと考えている。
国としてこんなことをして欲しいと言うことは正解だと思う。ただし、そのことを私どもが言うことは、うまくいっていないことの言い訳みたいに見える。そういった言い方はしたくない。
また、全国町村会で発信していることも正解だと思う。一関は市ではあっても平成の大合併でできた広い自治体。
市街地で起きていることと、市街地周辺で起きていることは全く違う。
一関市を一つの自治体という単位で測定しているので、一関市の自然減と社会減について判断されている。これをさらに区分してもらえれば、判断が違ってくると思う。
国の役割で不足しているものは、今回のレポートに書いてあったが、社会減に対する移住や定住政策は人口という少ないパイを各市町村が取り合っていることになる。今回の消滅可能性自治体とそうではない持続可能な自治体を日本地図に色分けしてみれば、持続可能か消滅可能性かがはっきりと分かる。
今回のレポートを受けて総理が、メッセージを発信している。その冒頭では、全国のある町やある村では、こういった取組をして外からの移住者が増えていると紹介するくだりがある。
政府のコメントだけではなく、報道各社の論評を見ても、こういった自治体があるということを紹介しているが、日本で起きている現象に対する処方箋として正解なのかという思いがある。
独自の人口減少対策は、局地的に見ると人口減少という現状に対応して、それぞれの市町村ごとの対応策ではあるが、日本全体で起きている人口減少に対する答えになっていない。
少子化対策としての異次元の議論が欲しいと思っている。
【記者】
白い農地に関して、3月に農業委員会から県へ報告書が提出され、県は違反転用の疑いという状況から16.3ヘクタールすべてが違反転用とした。
疑いが取れたことで、何か決まったことはあるのか。
【市長】
制度や法律に基づき処理していくことがはっきりしたということになる。
これまでも、県とは情報共有してきた。
【記者】
今後、県から是正措置を求められることになると思う。県は国と協議することになると思うが、その協議の中に市が関わっていくことはあるのか。
【市長】
県が主体となるのは、農地法に関することになる。私の理解では、都道府県知事が是正指導を発することになる。
ただ、県が是正指導を各農家に行うにあたり、市長部局担当課や市農業委員会は現場を所管しているので、この農地はこういった対応にした方が良いと申し上げる立場にあると思う。市長部局担当課及び市農業委員会と県とのキャッチボールは、この先も続いていくと思う。
【記者】
原状回復の方法について、表土を取り除いたり、さらに盛土を行ったりして農地機能を回復するなどの方法があったと思うが、市から方針みたいなものを提案することもあるのか。
【市長】
提案という言葉が適切かどうか分からないが、市農業委員会が作った処理の方針案を私どもが伝えていくべきだと思う。
【記者】
期限は決めているのか。
【市長】
詳しいことは承知していない。
市農業委員会と市長部局担当課がやり取りしながら進めているようだ。
【記者】
近いうちにまた議員に対して現状を説明する場を設ける予定はあるのか。
【市長】
議会においては、調査特別委員会を設置しているので、特別委員会の中で説明することになる。これまで2回行ったが、その2回の中でそれぞれ追加の質問があったので、資料の作成を行っているところ。
【記者】
5月中に行うのか。
【市長】
決まっていないが、5月中にできるようにしたい。
以上
閉会時刻 午前11時25分