文化財探訪
山吹城本丸跡(大東町)

山吹城は、葛西七騎の一つで、東山旗頭と称された大原千葉氏の居城です。
大原中学校北側の丘陵に位置し、高さ80メートル東西400メートル、南北200メートルで東磐井地方を代表する中世の山城です。
奥州藤原氏の滅亡後、寛喜2(1230)年奥州探題として関東から派遣された千葉頼胤の子、宗胤が築城したものと伝えられており、東西55間(約99メートル)、南北22間(約40メートル)の本丸と、東西54間(約97メートル)、南北22間(約40メートル)の二の丸があったと大原町誌に記されています。
山吹城という名前は、路地に植えた八重山吹から付けられたといわれ、別名「大原城」ともいわれています。
大原千葉氏は、第17代葛西晴信の弟信茂が山吹城主となり、領内をかためました。
また、最後の城主である千代竹丸は、天正18(1590)年8月に1700騎の大将として神取(宮城県石巻市桃生町)に出陣しました。
葛西軍は豊臣秀吉の奥州仕置軍に抗したが破れ、ついには山吹城も落城しました。
翌年8月、14歳の千代竹丸は須江山(石巻市河南町)で殺されたと伝えられています。
同年の9月には、石田三成によりこの地方の要地として修復されています。
本丸跡には樹齢450年以上と推定されるイチョウの大樹があり、大手門跡の大原中学校の裏には石割松(虫害により伐採)がありました。また、菅江真澄は天明6(1786)年、二度にわたって大原の地を訪ねています。
その日記『はしわのわか葉はしが記』に「この一巻は、卯月ついたち頃、みちのくの大原の里。新山川のあたりで初櫻を見、また鶴が峰、亀が峰、鎌倉山を眺め、あるいは山吹の柵…」と大原の旅情を記しています。
現在は散策路が整備されており、大原の街並みなど眺望を楽しむことができます。
問い合わせ先
大東支所教育文化課 電話0191-72-4087
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