展示のご案内

通史展示

一関のあゆみ[過去から未来への展望]


 北上川・磐井川の川辺に展開する縄文・弥生の人びとのくらし。中央の軍勢に反発しながら独自の文化を花開かせた古代蝦夷と平泉藤原氏。往時の姿を絵図と景観で現代に伝える中世荘園骨寺村、中世の支配者葛西氏。仙台藩とその支藩一関藩のもと、村や町が形成され現代につながる地域の姿があらわれてきた近世。明治維新後岩手県に編入され、地域のアイデンティティーを模索してきた近代。たびかさなる災害から懸命に立ち上がり発展を目ざしてきた現代。

 地域のあゆみをふりかえりつつ、視点は未来へとつながっていきます。

コノハズク形土製品

伊達政宗直筆扇面

展示内容
  • 原始の一関
  • 古代の一関
  • 中世の一関
  • 近世の一関
  • 近代の一関
  • 現代の一関

骨寺村荘園ブース

 平安時代末期、奥州藤原氏初代清衡が中尊寺建立にあたり発願した紺紙金銀字交書一切経などを納めた経蔵。骨寺村はこの経蔵の維持管理に必要な別当領として、約三百年にわたり支え続けました。この中世荘園の成り立ちから終焉までを紹介します。

陸奥国骨寺村絵図[複製]
(原資料 中尊寺蔵 重要文化財)

テーマ展示

舞草刀と刀剣[日本刀の源流]


太刀 銘 舞草

 日本刀は平安時代に完成しました。ここ、一関周辺で作刀を続けた舞草鍛冶は最も古い鍛冶集団のひとつであり、彼等が生み出した舞草刀は日本刀の成立と発展を語るうえで欠かすことができない刀剣です。

 また、近世には一関を領していた仙台藩と一関藩の地元の刀工たちが活躍しました。
 一関にゆかりのある刀剣や刀工を、時代を追いながら紹介します。

展示内容
  • 舞草刀
  • 新刀そして新々刀へ
  • 美術品としての刀剣

玄沢と蘭学[蘭学者大槻玄沢の業績]

 大槻玄沢は蘭学者として、歴史に大きな足跡をしるしています。

 蘭学とは、江戸時代の中頃(18世紀後半)、『解体新書』という解剖書の出版をきっかけとしてさかんになった、本格的な西洋研究のことです。

 蘭学は、一関出身の大槻玄沢によって大きく飛躍・発展し、日本の近代科学の発達にはかり知れない影響をあたえました。

 大槻玄沢の業績と蘭学の世界を紹介します。

蘭学階梯 大槻玄沢著

芝蘭堂新元会図[複製]
(原資料 早稲田大学図書館蔵 重要文化財)

展示内容
  • 郷師・建部清庵
  • 蘭学階梯
  • 芝蘭堂の世界
  • 蘭学の究明
  • 蘭学の展開

文彦と言海[近代的国語辞書の著者]

 明治になり、近代的な国づくりのために、国語の確立が強く求められました。それは、西洋の知識が入ってきたことや、実際の海外体験の結果でした。

 この難題に国語辞書編さんというかたちで取り組んだ人に大槻文彦がいます。彼は、辞書作りをとおして、試行錯誤をくりかえしながら国語の基礎を作り上げていきました。

 大槻文彦の生涯と業績を紹介します。

大言海底稿

『言海』初版 合冊本・四冊本

展示内容
  • 大槻家の人々
  • 心のふるさと一関
  • 言海の誕生
  • 言海完成祝賀会
  • 言海以後の文彦の業績

一関と和算[和算隆盛の地]

 江戸時代の日本では、外国の影響をうけずに数学が発達しました。漢字とかなを使って縦書きであらわす数学です。これを「和算」といいます。

 一関周辺の神社やお寺をたずねると、幕末から昭和のはじめ頃までに奉納された算額を、今もみることができます。そこにあらわされた問題は、当時のこの地方の人びとが考えだしたものです。

 千葉胤秀をはじめとする一関の和算家たちの業績と和算の世界を紹介します。

展示内容
  • 和算の歴史
  • くらしの中の算術
  • 算額の世界
  • 一関の和算家たち
  • 和算と遊ぶ

算法新書 長谷川寛閲 千葉胤秀編

一関八幡神社算額[復元]

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