骨寺村荘園遺跡のこれから

地元主催による稲刈り体験

日本各地で伝統的な農村景観が消え行く中、地域の風土に溶け込みながら、中世の農村景観を今日まで維持してきた本寺地区の存在は大変貴重です。
しかし、他の農村地域と同様に、住民の高齢化や営農の継続など、不安も抱えています。
そうした中、本寺地区では平成16年、活力ある地域づくりを目指し、地域の住民を中心とした「本寺地区地域づくり推進協議会」が発足しました。協議会では、遺跡をはじめとする地域の魅力・個性を生かすため、美しい自然景観の中で都市と農村の交流を図る田植え体験や稲刈り体験の実施、地元の農産品を生かした特産物の開発や荘園オーナー制の普及などに取り組んでいます。
また、遺跡の草刈り作業や廃農機具を撤去し、景観の維持に努めるとともに、今年度からは景観保全と営農の両立を目指し、景観に配慮した農地整備を推進する予定です。
骨寺村荘園遺跡の価値は、日本の原風景ともいえる農村景観にあります。この貴重な遺跡を確実に未来に伝えていくために、私たちは遺跡の価値を正しく認識し、官民一体となって、保存への取り組みやそれに係る活動に積極的に参加していく必要があります。
そしてそのことが、3年後の“平泉”の世界遺産登録につながるものと考えます。

(広報いちのせき平成20年9月15日号)