願いかけ、駆け抜ける天下の奇祭

水 躍る

当市の冬の風物詩「一関市・大東大原水かけ祭り」。

1657(明暦3)年の江戸の大火を機に始まった祭りは、今年で354年。
時代を超えて受け継がれてきた。

2月11日、県内外から大原商店街に集まった裸男は267人。
おけからこぼれた水が凍るほどの寒さの中、合図と共に一斉に走り出す。
沿道の見物客が浴びせる清めの水が弧を描き、男たちの体はたちまち赤く染まる。
掛け声に合わせてぶつけ合う体からは湯気が立ち上る。
こうして祭りは最高潮に。

「水かけ」には、東日本大震災で被災した三陸沿岸地域からも約30人が参加。
復興への決意を胸に、700メートルを駆け抜けた。

厳寒の大原を熱くした男たち。
清めの水が躍った祭りをカメラが追った。

復興、火防、厄除け、大願成就。さまざまな願いをかけ、肩を組み納め水を浴びる裸男
復興、火防、厄除け、大願成就。さまざまな願いをかけ、肩を組み納め水を浴びる裸男

区間ごとに旗切りが先頭を切る
区間ごとに旗切りが先頭を切る

背中に書き込んだ「復興」への誓い
背中に書き込んだ「復興」への誓い

清めの水を浴び、決意も新たに
清めの水を浴び、決意も新たに

水かけ前。視線の先に何を見据える
水かけ前。視線の先に何を見据える

身を切る寒さに水槽の水も凍った
身を切る寒さに水槽の水も凍った

裸男を追って通りを埋めた観客
裸男を追って通りを埋めた観客

背中の鈴を鳴らしながら裸男の後をついて走る加勢人(かせっと)
背中の鈴を鳴らしながら裸男の後をついて走る加勢人(かせっと)

気勢を上げる裸男とせめぎ合う消防団員
気勢を上げる裸男とせめぎ合う消防団員

八幡神社境内で行われた祈願。祈りを込めこうべを垂れる裸男
八幡神社境内で行われた祈願。祈りを込めこうべを垂れる裸男

門付けで祝う家内安全、商売繁盛
門付けで祝う家内安全、商売繁盛

いちのせきの広報誌「I-style」3月1日号