田村村顕懐紙(たむらむらあきかいし)

田村村顕懐紙

一関藩三代藩主、田村村顕(1707~1755)が詠んだ和歌を懐紙に認(したた)めたものです。
懐紙とは、歌会における清書用の和紙のことをいいます。
村顕は懐紙に「年さむし はなともわかず ふる雪の つもるるすえに にほふむめかえ(匂う梅が枝)」と書き、今年は寒く花にも分け隔てなく降る雪も、積もった後には梅が香るという、梅が春を待たず咲いている情景を詠んでいます。
田村家では、初代藩主建顕(たけあき)(1656~1708)が京都の公家を師匠として特に和歌に優れ、歴代藩主も含めて彼らが詠んだ歌も、田村家文書に数多く残されています。
しかし、村顕が詠んだ歌は比較的少なく、貴重なものとなっています。
なお、村顕の懐紙は現在、掛軸に仕立てられています。

現在開催中のテーマ展「書画の世界~装いを楽しむ~」は、この田村村顕懐紙をはじめ、さまざまな書画を展示しています。
3月10日(日曜日)まで開催しています。
この機会にぜひご覧ください。 

問い合わせ先

一関博物館
〒021-0101一関市厳美町字沖野々215 番地1 TEL0191-29-3180
ホームページhttp://www.museum.city.ichinoseki.iwate.

広報いちのせき「I-Style」 平成25年2月1日号