市民の皆さんから貴重なご意見をいただきました

市役所本庁で行われた懇談会(10月25日)

本市と藤沢町との合併について、一関市・藤沢町合併協議会で、すべての協定項目の協議を終えました。

市では、この協議会で決定した内容をお知らせするとともに、市民の皆さんからのご意見やご質問をいただくため市民懇談会を開催しました。

本号では、懇談会でいただいたご意見などの内容をお知らせします。

市内各地域で開催

10月22日の川崎公民館を皮切りに市内8カ所の地域を対象とした懇談会と各種団体などを対象とした懇談会を開催。

市民の皆さんの参加をいただき、質問やご意見などをいただきました。

合併をきっかけにより強い地域に

川崎公民館での懇談会で勝部市長は、

「私たちの周辺環境は大きく変化しつつあり、国際化、高齢化、少子化などの課題がたくさんあります。自分たちの住む地域を誇りに思えるような地域づくりをするために、今後とも全力で取り組んでいきたいと思います。合併というのは、強い地域づくり、競争力のある地域づくりをするための手段であり、合併が目的ではありません。合併を1つのきっかけにして、そこから新しい地域づくりがスタートしていくと考えています。藤沢町としっかりとスクラムを組んで、この一関という地域をより基盤のしっかりとした地域にしていきたい。子どもたちにしっかりバトンタッチ出来るような地域にしたいと思っています。皆さんから忌憚のないご意見をいただきたい」

とあいさつしました。

5年前の課題は

質問 5年前にも合併協議を行ったが、どうして藤沢町とは合併できなかったのか。
回答

当時の合併協議では、主に第三セクターと藤沢型基金が課題でした。

藤沢町には5つの第三セクターがあり、その整理が課題でしたが、当時、藤沢町では、整理が難しいと判断しました。

また、農業法人が国営農地を取得する際に金融機関からお金を借りた場合、その返済資金を貸し付けるための「藤沢型基金」についても町独自の仕組みであり、当時は整理が難しいと藤沢町で判断しました。
その後、藤沢町で努力をされ、第三セクターはすべて清算し、「藤沢型基金」は、合併前に整理し、新市に持ち込まないということで進めています。

あいさつを述べる勝部市長(川崎公民館)

新市が引き継ぐ債権債務

質問 協定項目で「債権債務は、すべて引き継ぐ」とあるが、債権とはどういうものをいうのか。
回答

債権とは、市では奨学金や農業施策の貸付金などです。

また市・町共通では、市、町民税の特別徴収金などです。

質問 藤沢町のすべての債務を引き継ぐことになるが、どういったものでいくらになるのか。
回答

藤沢町の債務は、平成21年度末時点で地方債(注1)の残高が54億円、債務負担行為(注2)の残高が69億円の合わせて123億円です。

5年前の合併協議時における残高205億円から82億円減少しています。

(注1)公共事業を行う際に地方自治体が国や金融機関から借り入れる借入金

(注2)地方自治体が後年度に債務を負担する行為

質問 市町それぞれの住民1人当たりの債務の額はいくらか。
回答

平成21年3月末での住民1人当たりの債務額は、本市は94万4千円、藤沢町は143万2千円です。

質問 藤沢町の債務を引き継ぐことによって市の負担はどのくらい増えるのか。
回答

債務を返済する上で必要な財源である町税や地方交付税も藤沢町から新市に引き継がれ、その財源で返済が可能です。

新市が藤沢町の債務を肩代わりするような状況ではありません。

「藤沢型基金」について

質問 「藤沢型基金」について説明してほしい。
回答

土地改良事業は、自分が持っている土地を換地で戻す持ち山参加型が一般的ですが、藤沢町の国営開発事業は、山林だった土地を整備し、新たな法人が入植して農地を活用する事業です。

入植者は、例えば、リンゴを生産する場合、苗木や資材の購入など初期投資に多額の経費がかかりますが、その他に土地の取得資金が必要になることから町で基金をつくり、入植法人へ土地取得の返済資金を貸し付けています。
藤沢町独自の事業のため、公平性の面で課題があることから新市に持ち込まず、藤沢町の農業振興公社で運用することにしました。
藤沢型基金の概要

藤沢町民病院について

質問 藤沢町民病院は、合併後、どのようになるのか。
回答

藤沢町民病院は全国的に非常に評価が高い病院であり、医療と福祉が一体となったシステムが効果的に機能している病院で、大いに学ぶべきところがあります。

病院は合併時は現行のまま引き継ぎ、そのままの形で運営していきます。

ただし、職員の人件費が抑えられている部分があり、合併した場合、本市との比較、均衡も保っていかなければならないことから、今まで抑制してきた部分を回復していくことも大きな課題です。

そのような中で病院のサービス機能を下げずに今の水準を維持していけるよう、検討していきます。

地域医療を考えるとき、藤沢町民病院のノウハウを市全体にどう生かすか、みんなで考えていかなければならないと思っています。

いただいた主なご意見

  • 藤沢町の債務があるということで心配していたが、説明やビデオを見て、藤沢町が頑張ったと感じた。
  • なぜ合併しなければならないか抽象的でなく、具体的に話してほしい。
  • 藤沢型基金の処理方法が疑問である。藤沢町で、もっと明確に整理してから合併すべきでは。
  • 一関が元気になれば藤沢町で懸念を持っている人も安心すると思うので、一関市自体がどれだけ活力を持つことになるかだと思う。説明いただいた構想、今後の計画について、十分検討して実行してほしい。
(10月27日までに行われた内容を基に構成)

(広報いちのせき 平成22年11月15日号)