「深いつながりがある骨寺村と中尊寺」

昼食にはもち料理が振る舞われました

 本寺地区地域づくり推進協議会(佐藤武雄会長)、本寺地区区長会が主催する「骨寺村を語る会」は2月18日、本寺中体育館で催されました。地区はもとより市内外から訪れた約300人の参加者は、世界文化遺産登録を目指す骨寺村荘園遺跡についてあらためて学ぶとともに、もち料理や郷土芸能など、地元の皆さんの温かいもてなしを楽しみました。

 佐藤会長は「地域の皆さんにあらためて骨寺村荘園を理解していただきたいと、瑞山、小猪岡の皆さんの協力をいただき開催した。これを機会に今後の地域のあり方を考え、世界遺産登録後の支援もお願いしたい」とあいさつ。市長代理で訪れた坂本助役と松川求県南広域振興局一関総合支局長が祝辞を述べた後、講演が始まりました。

 市文化財調査委員の小野寺啓さんは「伝説の骨寺」と題し、地域に伝わる伝承の観点から講演。「中尊寺の荘園だった本寺は、天台宗の修行僧や修験者の『祈りの里』で、伝承が数多く残されている。『麗美宮(いつくしのみや)』などの地名は、産鉄や鍛冶にかかわる古代信仰に由来するもので、これらに携わる人々が住んでいたことを伝える伝承では」と数十年にわたる調査から導いた自説を述べました。

 中尊寺西谷坊(にしたにぼう)の菅原光中住職と菅原光聴さんは「骨寺村と中尊寺のつながり」と題し講演。光聴さんは「中尊寺経は中尊寺の宝。その中尊寺経を経済的に支えたのが骨寺だった」と話し、「中尊寺と骨寺のつながりはいったん途絶えたが、これを機会に復活させたい」と結びました。

 会場には地元の人が1年間撮り続けた本寺の風景写真が展示されたほか、昼食には地区の女性手作りのもち料理や甘酒が振る舞われ、また、本寺中生徒による鶏舞や郷土芸能が披露されるなど、参加者はさまざまな本寺に触れることができました。

 昨年秋の稲刈りに続いて参加したという真柴の荒井次男さんは「『骨寺』の意味をわかりやすく説明してもらい、良かったですね。機会があればまた参加したい」と満足そうでした。

中尊寺西谷坊の菅原光聴さん本寺中生徒が伝統の鶏舞を披露

(広報いちのせき 平成19年3月15日号)