「いちのせき高校生チャレンジフェスタ2007」は7月28日、狐禅寺のイオンスーパーセンター一関店駐車場で催されました。 高校生たちが地域の活性化を目指して、自ら企画・運営に当たった同フェスタ。その熱い一日を追いました。

照りつける日差しの下フェスティバルは行われました「ありがとうございます」の声も思わず大きく

元気な踊りでフェスタを盛り上げた藤沢高校有志による「YOSAKOIソーラン」島根での全国高総文祭出演を目前に控え、勇壮な舞を市民に披露した、大東高校の「行山流鹿踊り」スペシャルイベント「みちのくプロレス」。繰り出される大技の数々に、会場から盛んな拍手と歓声が来場者へのお楽しみ抽選会で見事1等賞を引き当て、大喜びの親子連れ商品を見定める人たちでにぎわうフリーマーケット

みちのくプロレスのレスラーも参戦。それぞれが冷たさと、押し寄せるこめかみの痛みに耐えつつ果敢に挑んだ「かき氷早食い大会」来場者への卵の先着無料プレゼントにはあっという間に長蛇の列が実行委員も参加してつき上げられたもちは、さまざまに味付けされて来場者に振る舞われました

子どもから大人まで、女性に大人気。東北ヘアモード学院による「つめのお手入れコーナー」。同学院の皆さんは、チャレンジフェスタのスタッフとしても大活躍しました 

 市の「若者が主役の地域おこし事業」を活用し、昨年に引き続き開催されたフェスタは、大東高校商業研究部(部員6人)が中心となって5月上旬から準備を開始。同部顧問の川原佳訓教諭の指導と、きらめきサポートステーション一関の助言を得て、全体の企画や出店業者の募集などを進めました。併せて市内各高校へスタッフ募集を呼び掛け、同校と千厩高、一関工業高、一関一高の4校、20人の生徒により運営されました。千厩高から参加した5人のうち4人は、昨年に続いての参加となりました。
 午前10時からのオープニングセレモニーでは、実行委員長の和賀彩佳さん(大東高2年)が「今回のフェスタのテーマは『出会い』。今日のさまざまな出会いを大切にしながら、みんなで成功に向けて頑張りましょう」とあいさつ。浅井市長が「実行委員の皆さんの心を一つに、若いパワー全開で大きな成果を期待します」と祝辞を述べ、フェスタがスタートしました。
 オープニングセレモニーに続く先着プレゼントには長蛇の列。用意した100ケースの卵はあっという間になくなり、幸先の良い滑り出しとなりました。
 会場には、大東高校による焼き鳥、焼きそば、かき氷の販売やスーパーボールすくいコーナーが設けられ、高校生らの「いらっしゃいませ」「いかがですか」の元気な掛け声が響き渡りました。また、アンケート回答者によるお楽しみ抽選会なども行われ、上位の当選者が出るたびに本部テント前には歓声がわき上がりました。
 物産販売コーナーでは、市内はもとより、陸前高田市や遠野市、石鳥谷町、大槌町などからフェスタの趣旨に賛同して参加した業者らによる新鮮な野菜や花、加工食品などのテントが軒を連ねました。また、盛岡商業高校流通ビジネス科の4人が販売実習を兼ねて開いた「盛商マート」や、「ぽけっとの会」「一関世代にかける橋」の皆さんらのフリーマーケット、東北ヘアモード学院の皆さんによる「つめの手入れ」「髪のアップスタイル」などの無料体験コーナーなども開かれ、にぎわいを見せました。
 会場中央に設けられたイベントスペースでは、藤沢高校有志14人による元気な「YOSAKOIソーラン」や、全国高校総合文化祭へ出発直前の大東高校鹿踊部による勇壮な「行山流鹿踊り」が友情出演。「祝い餅つき振舞隊」による楽しいもちつきやみちのくプロレスによるイベントプロレスなども行われて、フェスタを盛り上げました。
 締めくくりは、昨年も行われて好評を博した「かき氷早食い大会」。挑戦者20人は、盛られたかき氷を「スタート」の掛け声と同時に口いっぱいにかき込み、「がんばれ」「もう少し」の声援が飛び交う中、冷たい戦いが熱く展開されました。
 こうして、大勢の来場者が多彩な内容を楽しみ、にぎやかに行われたフェスタは午後3時30分、その幕を閉じました。
 最高気温32.1度。加えてアスファルトの地面から立ち上る熱。むせ返るような暑さの中、高校生たちは、おそろいの紺色のポロシャツを汗まみれにしながら、朝の準備を皮切りに、販売やイベントの司会、裏方などそれぞれの役割を担い、会場狭しと一日中駆け回っていました。
 来場者からは「若いエネルギーが満ちていていいですね」(10代女性)、「まちづくりに若い人が参加するのは、活気が出てとてもいいこと」(60代女性)、「高校生の企画と周りのバックアップでここまで大きなことができることに感動した」(20代男性)など、高校生の頑張りをたたえる声が数多く聞かれました。
 「私たち高校生は、勉強だけでなく社会性も身に付けることが必要。このチャレンジフェスタでいろいろな人と話をしたり、ものの売り方を学んだりできて楽しかったです」と語った阿部華鈴さん(一関一高2年)。大きなイベントを成し遂げた高校生一人一人の晴れやかな笑顔に、若い力の持つ無限の可能性をあらためて感じさせてくれた一日となりました。

(広報いちのせき平成19年9月1日号)