6月は、スポーツをしている児童生徒にとって一つの節目の月。
高総体、中総体、小学生は全国予選会など大会が目白押しだ。

大会まであとわずか。
これまで練習してきた成果を存分に発揮してほしい。
選手、指導者、家族も思いはひとつのはずだ。

4年後に岩手で国体が開催される。
その国体で一関市はバレーボール成人の部の会場地となる。
4年後を見据えた各年代の連携や強化策も市バレーボール協会を中心に積極的に展開されている。

本号では、大会直前応援企画として、大会での活躍を誓う指導者と練習に打ち込む選手たちの汗を追った。


雪辱

チームのモットーは「勇往邁進」
日本一という夢の実現のため練習あるのみ

一関修紅高校男子バレーボール部監督
高橋昇禎 Takahashi Noriyoshi
高橋昇禎

Profile

1973年北上市生まれ。
亜細亜大卒業後、実業団チーム「東レアローズ」に所属し、アタッカーとしてVリーグなどで活動。
帰郷後、6年前、一関修紅高校の事務職員となる。
休部していた男子バレー部を立ち上げ監督に就任。
同校を県内の強豪校に再度押し上げた。
38歳。

10回連続で4強の厚い壁にあたる

一関修紅高校男子バレー部は今年1月に行われた県新人大会で10回連続のベスト4に終わった。
同校を率いる高橋昇禎(のりよし)さん(38)は「勝ちきれない。優勝できなければ初戦の敗退と同じ」と満足していない。
「10回連続ベスト4はすごいという人もいるが、上に行けないのが情けない」とも。
原因を「抽象的かもしれないが、勝ち方を知らない。自分たちの気持ちの中に勝手に序列を作っているような気がする」と分析し、「センスも高さもある選手たち。あとは勝ち方を覚える経験が必要」と状況を打破するため「大いに頑張らなければならない」と気合いを込める。

同校は昨年の震災で体育館が使用不能となっており、離れた場所にある体育館での練習を余儀なくされているが「昨年は、練習場所も転々とし、思うような練習ができなかった。今年は、練習場所は確保できた。その分、ひたすら練習しようと思う」とベスト4の壁を壊すため選手たちにも覚悟を求めている。

将来を見据えた選手起用

高橋さんは将来Vリーグや全国で活躍できる選手を育てることを常に意識しているという。
将来を見据えたポジションでプレーさせている。「岩手のレベルを上げるためにも、ここから日本で活躍する選手を育てたい」と話す。
また、練習内容も選手が自主的に考えて行うようにしている。
「私が監督であるうちは、私が主導してもいいが、選手が大人になった時は自分で考えて行動しなければならない」からだそうだ。
選手たちの可能性を伸ばす姿勢がうかがえる。

指導者になった理由を「日本一になるため」と語り「選手たちと一緒に日本一を目指している」と真剣なまなざしに。
「そのためには今年、ぜひ県の優勝旗がほしい」とこれまでの苦い思いを晴らそうとリベンジを誓う。

夜間に行われた練習試合。社会人を相手に引けをとらない試合ぶり(5月12日、ブロックが修紅高)
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2月に花巻で行われたVリーグ会場で、元全日本選手で現在実業団チーム「サントリーサンバーズ」のゼネラルマネージャーを務める河野克巳さん(左)から大会に臨む心構えを伝授された
2月に花巻で行われたVリーグ会場で、元全日本選手で現在実業団チーム「サントリーサンバーズ」のゼネラルマネージャーを務める河野克巳さん(左)から大会に臨む心構えを伝授された

4月に行われた一関地区大会。高さと力強さで圧倒
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持ち前の高さで4強の壁破り、いざ決勝へ

広報いちのせき「I-style」6月1日号